広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

9月最後の日曜日稽古会

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9月27日稽古会

令和二年9月27日、9月最後の日曜日稽古会を行いました。この日は、大阪から野原君が出向いて参りました。車で片道5時間かかります。新潟に居た時にも8時間以上のドライブで参加していた彼であります。何の事もないドライブであったのか、何時もの様に飄々と道場に乗り込んで来ました。二か月ぶりの再会の挨拶を永原君と交わしておりました。

一人遣いで少し体をほぐして貰い、坐礼を行いました。その際に小林君からの打込み用木刀、齋藤君からのお土産を手渡しました。その齋藤君も一か月の休暇を終えて次の海上勤務に旅立ったばかりであります。次に野原君が会えるのは11月末であります。

初めての打込み用木刀(少し太く、重め)を手に取り、必死に打込みを繰り返す野原君でありました。最初はその太さと重さを持て余し気味でありましたが、次第に軽やかな打込み音を発しておりました。獲物が変わっても丸で同じものを遣ってるいる様でなければ成りません。之もまた良き修行の友であります。

その効果でもありましょうか、兵法を遣い合う際に早速良き手応えが出ておりました。これまでにない合撃の手応えでありました。ピシリと良き手の内の締めを発揮しておりました。師弟に取りまして記念すべき一日であります。師弟同行の稽古を重ねる中での最も嬉しい一事であります。

負けじと永原君も九箇において良き連動をみせておりました。

地稽古の前に真剣にて抜刀を心行くまで抜き合いました。一人稽古では見落とし易い処を中心に指摘し、手本を見せ何本も抜かせました。これまた良き振りを繰り出しておりました。

この日の稽古の締めは、無論地稽古であります。この日は、永原君は手の皮膚の具合が今一つでありましたので見取り稽古を命じました。之もまた大切な稽古であります。

先ずは、充分な打込みを行わせました。大きく、正しく(これが一人遣いでは判りにくい)そして鋭く、早く・・・これが出来ねば地稽古では一本取る事は叶わぬ・・・基本稽古で一汗流して・・・地稽古に入りました。

地稽古になると大きな打ちのみでなく、小さな鋭い小手打ちも試みる野原君でありました。之が地稽古の良き処でもあります。必要な事を自然と悟り、無意識の内にも自然と実行してゆきます。マグレであっても一本小生の小手に当たった一本がありました。無論一本とは成りませんが、其の内に一本に成り得る可能性を秘めた一打でありました。思わずニヤリとして倍返しの小手打ちを繰り出す小生でありありました。苦痛に顔を歪め、体を捩じる野原君でありました。

良き稽古を心地よい汗の滴る中で終了しました。朝夕は随分と涼しくなってきましたが、道場で剣を振るえば、稽古終了を迎える頃には剣道着から汗が滴っております。

日記