広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

5月第三土曜日稽古会

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5月15日

令和三年5月15日、第三土曜日稽古会を行いました。明日から緊急事態事態宣言期間にはいる、梅雨入りを迎えた中での稽古会となりました。例年より三週間早く梅雨入りを迎えた道場の床は、もはや可成りの湿気を含み、足捌きの難しい状態でありました。

齋藤君は、早速に足の裏の皮を剥いてしまった様でありました。真の摺り足の修行を心掛けさせました。

明日からは道場の使用が制限されかねませんので、時間を惜しむ様に稽古に入りました。

木刀での打込みでは、足捌き、体捌きに重きを置いて打込ませました。前に進む事ばかりに気を取られている若者達は、真っ直ぐに体を運ぶ事が疎かに成っておりました。足を軽やかに進める事のみに気が行き、根幹である体を真っ直ぐに運ぶ事が出来ておりませんでした。いま少し精密な足捌き、運体を求めさせました。

打込みの際の打つ深さに対しても今少しの意識の精密さを求めました。ただ打てば良いでは上達はおぼつきません。

相懸けられた時に手の内の感触の違いについても、少し言葉を添えて伝授しておきました。どの様に身に付けるかは、彼ら次第であります。その際に七太刀の一手(小手斬り)についても手本を示し、相懸けの違いによる技の使い方を伝授しておきました。

今回も八重垣の中に含まれる基本刀法を繰り返し振り込ませました。少しづつ身に付けつつある二人でありました。四方八方の振りの太刀筋を振り込む事で身体の軸を作り上げて参ります。

本伝の太刀では、小林君が合撃に今までで一番の遣いっぷりをみせておりました。その心地良い手応えは、竹刀同士が当たった感触さえ無かったのではないでしょうか。真の合撃の遣いっぷりでありました。小生の手の内にも心地よさが今でも残っております。

稽古の締めは、防具を着けての打込及び地稽古であります。足捌き、体の運びに留意させ、打込みを行わせました。二人とも基本の打込は、段々に良くなって来ております。

地稽古では、いまだ成す術無く打ち取られるしか無い両名でありますが、小林君に明日につながる打ちが一本ありました。小生が(惜しい、良い処)と発した言葉の真意が何処まで理解できたか・・・所詮掻き分けられた波の状態にされたことが、理解できているのか・・・。

不快指数100パーセントと言って良い本日の道場内でありましたが、稽古を終えた者達の清々しい表情は、その不快さを払拭させた満足感に満ちておりました。

日記