広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

6月第二土曜日稽古会・・・廣川君月命日

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6月12日

 令和三年6月12日、6月第二土曜日稽古会を行いました。この日は、廣川君の月命日で有ります。昨日前日のお参りを終えての稽古会と成りました。明日からの県外勤務を控えている齋藤君が出向いて参りました。髪形は出航モードのソフトモヒカンと成っておりました。帽子の被り易い髪型であります。

この日は直伝稽古で有りますので彼専用の稽古内容としました。一人遣いの段階から直伝を施す事としました。体軸を振り込む事によって又打込む事によって一本の真っ直ぐな体軸を作り上げる事を命じました。昨日から始まったジメジメとした正しく梅雨の盛りの中で、彼の体中から汗があふれ出しておりました。懐の手拭い(小生がお年賀で渡した)で噴き出す顔の汗を拭いながら、何度も何度も打込みを繰り返しておりました。

打込みの際の打間は、可成り彼自身の体格に合致して来ております。空打ちも有りはしましたが、少しでも遠間から捉えようとするその気持ちは良しとします。

相懸けは、待ち受けに成らぬ様に先を取る事を命じました。剣の勝ちに後の先はあり得ません。先の先、有るのみであります。

兵法においては、合撃、二の斬りに確かな上達の気配を醸し出しておりました。位を取り方は、今少し足の働きの連動を求めました。今の儘では、コソ泥の様なさもしさがあります。凛とした位を求めました。

抜刀では、今回も本伝の太刀に通じる基本刀法をこれ又体中の汗を絞り出す如く遣って貰いました。汗がそろそろ出尽くす頃、順逆共に心地よい刃音を奏でておりました。その瞬間、齋藤君の顔がパッと明るく輝きを発しておりました。思わずニコッとする小生で有りました。

稽古の締めは、今回は前回出来なかった地稽古であります。抜刀の良き手応えを持って、防具を身に付けておりました。しかし先ずは、打込みで有ります。これ又良き間合で打込んで来ておりました。竹刀の振りも相手を捉えられそうな振りと成って来ております。・・・しかし、いざ地稽古と成るとそうは参りません。基本の打ちを活かす様な打ちは、一本も出ずじまいではありました。しかし確かに小生の小手に触った一手がありました。無論打ちではなく触っただけでは有りますが、そこに何かヒントが有りそうだと伝えておきました。後は自身の工夫次第であります。攻め返しと一本でも良いので身を捨てた打ちを繰り出す事を命じて本日の稽古終了としました。

日記