広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

10月第二日曜日稽古会

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10月10日

令和三年10月10日、昨日に引き続き日曜稽古会を行いました。予定通りにワクチン接種二回目の副反応自粛を経た小林君が、程よく回復を果たして出向いて参りました。

この日も快晴の空模様でありしたが、妙に暑い昨日を上回る暑さの道場内でありました。小林君も時に副反応の熱がぶり返したのではと疑う有様でした。

一人遣いで汗を流す彼に昨日のブログを読んだと言う事で有りましたので(読んだ割には、感想を送って来てはおりませんが・・・またぞろ横着な悪癖が出て来た様で有ります)此の時点で俊速(即)の太刀筋を木刀で見せる事としました。一瞬見せたのは早すぎたかと感じました。然程に感情の反応の鈍さを・・・感じ入る様子は、鈍い物がありました。感性の鈍い者に指導するもどかしさを感じる出だしで有りました。

何時ものルーティンの稽古に入ると出来の良さを出しておりました。固定観念に如何しても囚われてしまう彼の良さと物足りなさを感じながらの稽古と成りました。

打込み稽古では、まだまだ自身の体を活かし切れておりません。求める物は、伝えて有ります。指摘されねば気が付かぬウッカリ癖はいまだに抜け切れておりません。所詮、気の足りなさであります。

しかしながら兵法に入ると三学で良き呼吸法、気の続きを見せておりました。昨日の剣道七段挑戦者とは雲泥の差を見せておりました。その点は、真に褒めてやりました。折角の三学の出来の良さの余韻を薄めぬ様に、その後の兵法は取りやめにし、真剣での抜刀に移りました。

母刀を充分に抜き合い、基本刀法を何度も行いました。その際に真剣で今一度瞬息(即)の太刀筋を見せました。その時にやっと心のスイッチが入った気配を発しておりました。木刀でのそれでは、少し呆けた様な気配が・・・一気に澄んだ物と成っておりました。之が、彼の欠点で有り、物足りない処であります。伝える師の位の期待を時として阿呆の如く裏切ります。がっかりさせます。暖機運転をせねばエンジンの車の調子を上げられぬと思ってしまっている間抜けなプロドライバーの性でありましょうか。何時まで経っても性根の入らぬ事であります。・・・体外にせよ!

防具を着けての地稽古では、最初の基本打ちは、それなりの物に成って来ております。基本打ち・・・元立が打たせてくれる打ちは、昨日の剣道六段よりは良い打ちであります。それが一本を取り合う地稽古に成ると・・・まだまだ活かされません。小手打ちなど基本稽古では、決してしない太刀筋で当てに来ます。人を相手に一本を取ると言う事にまだまだ四苦八苦の小林君でありました。剣技は人相手に使えねば本物とは言えません。自得有るのみであります。

がっかりさせたり、感心させられたりの忙しい稽古でありましたが、全体の稽古事態の手応えは良き物でありました。しかしながら何時もそれで終わらないのが彼であります。

僅かな何でもない指示を・・・見事に裏切り、無神経な責任感のかけらもない、幼稚な行動として露呈させたこの若者の未熟さに、横着さに・・・あきれ果てました。

剣の修行を無駄にするでない!・・・と、思わず叫ばずにはおれませんでした。

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