広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

2月最後の日曜日稽古会

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2月28日

令和三年2月28日、二月最後の日曜日稽古会を行いました。この日は、春の訪れが確実に近づいている事を感じさせる気候でありました。窓から道場内に差し込む日差しも柔らかい物でありました。

この日は、小林君との直伝稽古と成りました。後一か月余りでスーパーGTの開幕を迎える時期でありますのでチームもテストが始まり何かと忙しくなって来た中での稽古会でありました。

かいがいしく稽古前の道場内の準備をする彼に場が違っても傍に誰がいても態度が変わらぬ事・・・真の誠実さを説きました。・・・真意が何処まで伝わったか・・・。

何はともあれ二月最後の直伝稽古を師弟同行で堪能しました。一人遣いの段階から、細かな足捌きの変化を少し精度を高めて求め、手本を示し、何度も遣わせました。ややもすると打ち其の物・・・上体に気が行ってしまう彼の癖を正し、足捌き、踏込みへの気の配りを求めました。

踏込みあっての剣です。打ちは結果でしかありません。本末転倒と成らぬ様に再度申し付けました。

木刀での打込みの際にも、気が上に行ってしまい、踏込みが甘くなっておりました。何度でも正します・・・しかし、そろそろ自身で気が付いて貰わねば・・・彼の甘さであります・・・もっと感性を鋭敏にする事を命じました。

兵法では、雷刀への位取りに良き物が出ておりました。直勢中段の際にも同様の雰囲気が出る事を求めました。

抜刀に入る前に木刀にて順逆の袈裟斬り及び斬り上げの基本刀法を伝授しました。特に斬り上げ・・・斬り通す太刀は、初めての伝授でありました。興味深そうに取り組んでおりました。何時でも巻藁位は斬れそうな刃音を醸し出しておりました。そして真剣の抜刀でも同じ太刀筋を充分に取り組んで貰いました。木刀で行うよりは少し難しさを感じていたようです。ついでに燕返し・・・龍尾返しの太刀筋も見せておきました。・・・これは、自分には到底無理とでも思ったのか、稽古後のコメントには無頓着な様子でありました・・・そうであれば、二度と見せては遣りません。何度でも見せて貰えるとでも思ったら大間違いです。価値の判らぬ者に何度も見せる物では有りません。

稽古の締めは、無論防具を着けての地稽古であります。しかし、此処でも先ずは、基本打込を充分に打ち込ませました。特に小手打ちもです。それから地稽古へと移行しました。ほぼ一方的に打たれながらも、反撃の良き一打がありました。はじめて(参った)(良い処)と師の位から声が発せられた小手打ちがありました。正確には当たりではありましたが、思わず声が出た打撃でありました。腕の差を考量すれば一本と言って良い打ちを初めて喰らいました。

何時までも忘れぬ一本でありましょう。・・・良き事でありました。

稽古後は、団地の隣のアウトレットモールでこの日の反省会をかねて食事を共にしながら余韻に浸りました。

明日から三月です・・・早い物であります。

日記