広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

10月第二土曜日稽古会

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10月9日

令和三年10月9日、第二土曜日稽古会を行いました。この日は、永原君との直伝稽古そして初めてのワクチン接種の為に彼が早めに道場を後にしてからは、剣道七段を挑戦中の知人の特別稽古としました。

12時前には永原君が出向いて参りました。初めてのワクチン接種の為にこの日は、2時間程しか稽古時間を取れません。道場に入るや否や剣道着袴に着替えて、一人遣いに精を出しておりました。真夏日となった本日の道場内は、永原君が懐の手拭いを取り出すのに然程の時間は要しませんでした。彼の一人遣いを観ながら、つくづく良くなった物だと感じました。後は打ちの際に時として背筋が丸くなる処の修正で有りましょう。常に襟首袴腰による背筋が通る事を身に付ける事が求められます。

坐礼を行い、木刀による打込み、兵法、真剣による抜刀を行いました。抜刀では、初めて俊速の振りの平生の物より三分の一の振り幅で斬り通す太刀筋を見せました。真の手の内が身についていなければ出ない刃音に悪戦苦闘しながら臨んでおりました。

兵法での初太刀の教えを再度申し伝え、何処までも求めて行って貰います。真に理解し、平生も工夫を怠らず、必ずその精神と術理を身に付けて貰います。

抜刀を終えた処で本日の予定時間を迎え、地稽古は次回にお預けとして、ワクチン接種へと出向いて行きました。

三時頃には、剣道七段挑戦中の知人が出向いて参りました。先ずは、木刀にての剣道形を行いました。案の定巷に溢れているカタチ稽古・・・ならぬ練習しかして来てない様子が、立合いの間に立った瞬間に感じ取りました。この日は、初めての直伝稽古でありましたので何も言わず太刀七本、小太刀三本を通して遣うつもりで有りましたが、とてもそのレベルにあらず・・・五本目を六本目と勘違いして処で基本から手直しする事としました。一度に余りに多くの事を伝えても混乱するだけですので、基本と成る呼吸法と大きな伸びやかな振り其の物を手ほどきしました。然程に呼吸法の未熟と手が縮まった打ちと成っておりました。之では、剣道形の稽古とは成りません。先ずは稽古できる状態になる事を求めました。一度や二度では如何ともし難い事では有りますので、本人が望むのであれば、お相手する事としました。然程に真の剣道形は、誰とでも稽古出来る物では有りません。幸いに彼は、その事を理解した様で有ります。

一時間の形稽古の後は、お望みの防具を着けての地稽古の相手をしました。地稽古に入る前に基本打込を所望してきました。形稽古での指摘をよく理解出来た様で、少々関心しました。しかしながら形の際に指摘した打込の際の手の縮みは、身に付いてしまった悪癖で有りますので思わず出ておりました。それでは、相手から一本取る事は覚束ないと言う事を地稽古では痛いほど味わって貰いました。

構えの不要な低さを指摘され、それを不用意に保てば突きの餌食となり、面に渡られ、剣先が無意識に浮いて来ると小手を打たれ・・・成す術も無く、青色吐息状態と成っておりました。そしてすべての打ち、突きが切り落とされる様な打撃力を秘めており・・・最後は、痛さに耐えかね腕を振り始めた処で稽古終了としました。

帰り際に、次も宜しくお願いしますと発する彼の言葉に・・・ニンマリとする小生で有りました。

明日は、二回目のワクチン接種を終えて、副反応の為に本日の稽古を控えていた小林君が、出向いて来る予定で有ります。

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