広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月第二土曜日稽古会・・・小林君との直伝稽古

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11月13日

令和三年11月13日、この日は小林君との直伝稽古と成りました。12時前に道場に到着すると神妙な顔つきで小林君が玄関前にて待っておりました。粗相を二日連続指摘され叱責され・・・流石に少しだけ応えた風ではありました。しかし、この者の忘れっぽさ、不調法さはある種筋金入りで有りますので、胡麻化される分けには参りません。稽古前から駄目押しの説教をしておきました。

この様な時代に何故に剣の修行に身を置くかを今一度説き、その決意奮闘を求めました。何処までも基本を最も大切にし、取り組んでいる当会の意義を今一度心に染み込ませました。基本無くして剣も人も物の役には立ちません。

前回稽古参加の野原君からの土産を手渡し、稽古に入りました。一人遣いの時から気づいていた微妙な手首の力みが、基本打込から出ておりました。気が付くまで汗を流させる事としました。力みが取れ、心地よい打ちになる迄には、可成りの時間を要する事となりました。その時には、最早冬の様子を呈している道場で、滴る汗を流しておりました。疲れると拳が下がる悪癖が出ておりましたが、正すまで辞めさせませんでした。

一服のお茶で喉を潤し・・・その際にも駄目押しの駄目押しの訓示を述べておきました。・・・何処までも油断厳禁の愚か者でありますので。この10年で築いて来た事が無に帰さないように・・・。

兵法においては、スーパーGTに向けての前回の送り出し稽古の際に出た良き働きが、この日も出ておりました。三種の合撃、そのあとの十太刀の一本は、最高の働きを見せておりました。位の取り方も課題であった事を克服して来ております。良き事であります。しかし、直ぐに悟ったつもり、身に付けたつもりと成るおっちょこちょいで有りますので、油断禁物であります。何処までも真摯に謙虚に励む事を厳命しました。

抜刀も払い揚げの太刀を少しづつ身に付けつつあります。大夫良き刃音に成って来ております。今少しの体捌きが求められます。所詮、足腰刀の連動であります。無理な遣い方は、刀が体が教えてくれます。振り込むにみであります。

防具を着けての地稽古では、基本の打込は、確かに良く成って来ております。元立が打込みやすいように空けてくれれば・・・。しかし、地稽古ではそうは行きません。中段の構えで守りを固め、攻めて来る相手に如何様に対応するか・・・形の中に全てのヒントがあります。打たれながら、攻められながら・・・稽古の中から自得するしか術は有りません。せめてまぐれ当りでも出るまではと、少し長い時間を懸けて相手をしましたが・・・それも果たせずに終了としました。しかしながら、地稽古も回数を重ねる程に様に成って来てはおります。

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