広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

8月お盆休み明け最初の日曜日稽古会・・・剣道特別稽古

令和五年8月20日、例年に比べて少し長い夏季休みと成ってしまいましたが、この日から稽古の再開でありました。弟子達は夫々に都合がつきませんでしたので、来週に昇段試験を控えた七段挑戦者の為の剣道特別稽古としました。

今年は、暦の関係で6日は日曜日であり、前日から広島は慰霊の時を迎えておりました。そして週末からのお盆休み・・・結果的に二週間の夏季休みと成って仕舞いましたが、その間の猛暑は、もはや殺人的な物でありました。この日もご多分に漏れず、猛暑日・・・道場内はサウナ状態でありました。まるで床暖房かと思う程床板が熱せられておりました。窓を開け放ち、空気を入れ替え、稽古前の掃除を行い場を調えました。

時間になり、これまた少し長いお盆休みを取っていた七段挑戦者が出向いて参りました。道場に入る段階でその体中から汗が噴き出しているのを感じました。

来週、福岡で行われる昇段試験に向けての最後の稽古であります。技前でなく気を張る、気の稽古と致しました。

先ずは、剣道形であります。何があっても当道場では、先ずは形稽古を第一に行います。そして基本打込を行って後に一本勝負の気迫で地稽古を行う。

剣の稽古は、之に尽きます。これ以外には方法はありません。どちらに偏っても駄目であります。形と地稽古は同じであります。同じでなくては剣と言えません。

30年前に延春師範(宗家)を訪ねて、大阪に出向いた折に、基本稽古を行わずに直ぐに形(手順)を教え、地稽古を行っていない事に疑問を呈した小生に師範は、新陰流は、剣道でありますので本来そうあるべきですが、最早遅きに失した状態であります。今からこの者達にその様な稽古をさせるのは無理であります・・・と、寂しそうに言われました。

あの当時延春師範は、70歳過ぎ・・・自身が直に指導する事は、無理と言う意味と形に偏重しすぎた指導の為に地稽古をすると形が崩れる・・・又は形と地稽古は別物と言う間違った、本来有り得ない事を信じ切った物達ばかりを育ててしまった悔恨の言葉を発しておられました。

真の剣に取って、形稽古と地稽古は表裏一体であります。これは剣の世界では結論の出ている事であります。ましてや地稽古に活きてこぬ形など形ではありません。それは殺陣、チャンバラであります。

形は地稽古の様に、地稽古は形の様に遣うのが、理想です。昇段試験前とは言え、理想の剣を求めて遣るべき稽古を行いました。しかも今回は、昇段試験前でありますので特に呼吸法を伴った気の稽古に集中しました。

日記