広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

7月最後の日曜日稽古会・・・剣道特別稽古そして齋藤君の送出し・・・。

令和五年7月30日、7月最後の日曜日稽古会は、先ずは剣道七段挑戦者の為の剣道特別稽古から始めました。

小生の延岡遠征やら彼の職務の事も重なり、前回稽古から少し感覚が空いて仕舞いました。夏真っ盛りの猛暑の中での稽古会でありました。

今日只今のその日一回しか打たない剣道形・・・将に一本勝負の形であります。呼吸法を一つとし、太刀七本、小太刀三本を打ち切りました。少し間隔が空いた事もあり、猛暑もあり・・・呼吸が途切れがちの仕太刀でありました。・・・ここは我慢の為所であります。息が詰まって、倒れても止む無し・・・この気迫が必要です。地稽古で息が途切れては、打たれるだけであります。形は、地稽古の如く。別物と成っては、駄目であります。形、地稽古は一つです。

そして、緩急強弱の使い分けです。使いこなす・・・その事を意識して遣いこなす・・・一本の形にその術理が込められております。

蹲踞そして立ち上がりは、之までの修行の成果が出て来ておりました。蹲踞の大切さを意識してない者が、殆どですが・・・小生が、常に大切にしている事であります。

形を打ち終わり、少し言葉を添え、今回の良かった処そして課題を伝えました。冷茶で一服し、水分補給を行い地稽古を行いました。

先ずは10本の気を込めた面打ちであります。之だけでやり様によっては、基本稽古は充分であります。・・・呼吸を整えて貰い、地稽古となりました。

昇段試験を受ける者は、如何しても先ず打ちたいと言う気持ちが先行して、打ちでは無く、当てに成る帰来があります。打ちと当て・・・似て非なる物であります。

地稽古の際にもその傾向が如何しても拭いきれずに出た面打ちがありました。剣先を少し緩め、左小手に添えて、その面打ちを当てさせ・・・無視をしました。その気配で七段挑戦者は、何かを感じた様でありました。

当たったのに認めて貰え無かったばかりか、無視をされた・・・次からはその傾向の面打ちには、弛めぬ剣先が立ちはだかり、咽喉部(突きの位置)を制せられ、打ち其の其の物を砕かれて仕舞う。

そして炸裂するような小手を打たれ、大波が打ち寄せる様な面打ちに飲み込まれ・・・身を捨てて打って行けば、剣道形五本目の様な摺り揚げ面に打ち取られる。

まるで剣道形の打太刀(負ける方)状態と成って仕舞う・・・打たれながら、汗にまみれた防具の中の顔は、何故にか喜びと爽快感に溢れておりました。

前半が終了する頃、齋藤君が出向いて来ました。道場に入り稽古中の我々の様子を突っ立て観ておりました・・・まだまだ作法も理解してない戯けであります。師の稽古の様子を観るに正座以外は有り得ません。延岡に同行させた小林君と言い、真の礼法をまだまだ身に付ける事が出来ておりません。決まり決まった事しか気が行きとどかぬ処は、この者達の未熟な処であります。之では恥ずかしくて誰も遠征などには同行させられません。

この日の稽古後は、之までの様に二か月余りの海上勤務に赴く齋藤君の送り出し稽古としました。

基本打込、本伝の太刀、真剣での抜刀と海上での一人稽古の課題を確りと認識させ、振り込ませ、遣わせました。

暑さに負けず、職務に励み、元気に帰って来る事を願って送出しました。

日記