広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

5月第四土曜日稽古会・・・宮島嚴島神社奉納古武道演武大会、八日前

令和五年5月27日、宮島嚴島神社奉納古武道演武大会を来週にひかえたこの日、土曜日稽古会を行いました。出張先の岡山から齋藤君が出向いて参りました。出先で少し体調を崩しかけていた報告を得ていましたので、少し心配しておりましたが、大事無かった様で安堵しました。

少し稽古間隔が空きましたので、先ずは一人遣いを充分に行わせました。ここ一週間の少し涼しい気候から一変し、蒸し暑い一日でありました。齋藤君の額から汗が噴き出すのに然程の時間を要しませんでした。その様子を観ながら、昨年の大会演武を経験して、確かな上達期に入っている事を改めて感じました。鉄は熱い内に打て!であります。ますます熱く鍛えて参ります。

正面への坐礼を行い、木刀での打込みを行いました。途中、元立の木刀が割れて仕舞い・・・予備の木刀にかえて続けました。割れて仕舞った木刀は、小太刀に作り替えて遣い続けます。

正面打ちは、可成り上達してきております。課題は順逆です。踏込で遣う順逆では、如何しても体のバランスを崩して仕舞います。摺足では遣える事を踏込みでも確りと遣える様に求めて打込みを続けるしかありません。

 

兵法は、本伝の太刀を遣い合いました。大会を八日後に控えているとは言え、特に意識する事などありません。平生の様に今日只今の気持ちを大切に、彼我一体を求めて気を合わせ遣い合いました。右旋左転の勝口・・・かわしながら打ち被せる・・・斬り合いの妙味を打太刀、使太刀で味わいました。・・・地稽古で如何に使うか・・・。

兵法の後は、剣道形を遣い合いました。之まで伝授した五本目まで打合い、次の六本目を伝授しました。新陰流の中には無い、摺り揚げ技・・・少し戸惑っておりましたが、かまわずに伝授を続けました。拍子に着眼すれば、同じであります。別物である筈も無し。

地稽古でしこたま使われ、打たれている業です。求めて行って貰います。何れ地稽古で遣いこなせる為の第一歩であります。

ここまでの稽古中の様子で齋藤君の体調がほゞ把握出来ました。やはり出先での不調の回復が万全で無いと判断しました。今回は防具を着けての地稽古は行わずに、真剣での抜刀の稽古を締めの稽古としました。

この稽古でも正面の一刀両断の振りは、冴えの部分はすこし工夫を要しましたが、太刀筋、体捌きとしては良い処がみうけらました。冴えの部分も何振りか良い振りが出ておりました。問題はやはり順逆の斜太刀にあります。明らかに体のバランスを崩す場面が見受けられました。正しい体捌きを求めて、指摘し、振り込ませました。

体中から汗が吹き出し、床に滴り落ちておりました。明日は、大阪から野原君が出向いて参ります。

日記