広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

10月第三週土曜日稽古会

令和五年10月21日、10月第三週土曜日稽古会を行いました。先週日曜日に引続き、齋藤君が海上勤務明けの一か月の休みを遣って出向いて参りました。一か月・・・永い様で本人は無論、会に取ってもあっと言う間の時間であります。濃密な時間を過ごしたいと思います。

六時間の稽古の中では、根幹に関わる事を身に付ける基本稽古に主な時間を割きます。巷にあふれる形のあやふやな手順を覚える事に時間を要する事など当会ではあり得ません。基本の振りを師の前で限りなく行い、師相手に打込みを繰り返し、根幹を身に付け、高めて行く・・・そして今日只今の気迫を持って、本伝の太刀、試合勢法を遣い合う・・・反省は行っても、遣り返しなどは決して行いません。良かろうが悪かろうが、形稽古は、常に一本勝負の気迫を持って遣い合います。調えるだけの形は形に非ず、それは殺陣です。他所の世界の事です。真の上達を目指しての師弟同行であります。

基本の振りの中で、特に背筋・・・座った時も、立った時も、かまえた時も、そして剣を振る時も背筋が通るように・・・崩れぬ様に、歪む事の無いように・・・動きの中でも保てる様に・・・一人遣い、基本打込、勢法の中で強く意識させ、求めさせました。

勢法の中では、文(あや)を斬る際に人中路を決して外れぬ事を求めさせました。一人遣いでは殆ど出来ている事でも打太刀を相手にするとややもすると相手の剣先を打ち落とそうとして太刀筋をみだしてしまう・・・往々にしてある事ですが・・・無論駄目です。正確に文を斬る事は、正しい打ちが出来るかにに繋がります。努々疎かには出来ません。大切な基本であります。真に身に付けるには大変な時間と努力を要します。この様な根幹に関わる事に時間を遣い努力する事が真の稽古です。手順を覚える事に汲々としたり奇を衒った事を覚えようとする事は、剣の本質から外れた事であります。

剣道形、真剣での抜刀、防具を着けての地稽古を行い、本日の稽古終了としました。

最近一年の内に数日しかない、心地よい秋を感じるそよ風に満ちた一日でありました。

日記