広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

蟇肌竹刀を仕組みながら

本日は稽古がありませんので久しぶりに蟇肌竹刀の仕組みをしました。この革は石黒氏が東京柳生会の小野君から貰ってそのままにしておいた物を宮島演武の後に小生あてに送って来た物です。今回の詫びの意味であろうと解釈しています。


組むだけに加工してありましたので昼過ぎからかかり三時間で組み上げました。切先の切り込みの入れ方が小生とは少し違いますが組んで見ますと支障はありませんでした。材質は小生が最初の三本を作った物とおなじものでした。稽古に遣うには少々物が良すぎますので最近は違う材質を使用しています。


成型を施し後に漆を塗ります。今回は三回に分けて重ね塗りをして見ようと思います。色は最近渋めの色にしておりましたが宮島にちなみ神社の鳥居、回廊に遣われている丹色にします。たまたま演武のさいに宮島の禰宜と話す機会があり古来から丹色は(尊い色)と言われており神社で使っていると言う話をお聞きし、蟇肌竹刀の色もかつてはその様な意味を込め同じような色を使っていたのではとの思いに至った故です。


仕組みと言う根気のいる作業を続けていると行を行っているような感覚になり宮島の演武における色々なことが頭に浮かびましたが、今回の様な他流から皮肉を込めた批評を受ける羽目になった本人は勿論、その様なものを送り出してきた責任者達からなんのアクションもないと言う事に改めて物事を任されている者としての責任感のあり方という事について考えさせられました。他山の石としてしかと肝に銘じました。