広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

2月博多での稽古会

三連休の初日、博多での稽古会を行いました。全国的に寒波の襲来の予報があり広島を出立つするときから冷え冷えとした冷気を感じました。駅は三連休の初日と言う事もあり大変な混雑でした。


今回は久々に西区体育館の剣道場にて行いました。先ずは抜刀の立合を心行くまで抜きあいました。刀にだいぶ馴染んできた様子が伺われました。一人稽古に励んでいる様でなによりです。しかしながら今だ手順を追ってゆくだけで汲々としております。理合を常に忘れず相手(仮想敵)を意識することをおざなりにしてはなりません。油断すると剣舞になってしまいます。それでは武道とは言えません。


その後前回に続き土居君との特別稽古を行いました。前回の注意点を再確認し特に手の内、打ち切った後の体の有り様を今一度伝え行いました。仕太刀は多々問題点はありますがまずまず稽古に支障なく遣える様にはなってきましたが、問題は打太刀です打込みが力みかえって、体が及びかかってしまい崩れた打込みになっています。これが一人稽古の急務です。これでは正直打太刀は出来ません。


また小太刀の遣いように大変な問題点を抱えています。これは片手で持つ手の内につきます。硬く持つほど意識は手に集中し物打ちに意識が気がこもりません。従いまして受け流しにおきまして拳にて受けてしまう事になってしまい人差し指を負傷してしまう結果となってしまいました。間積もり体捌きにも問題はありますがやはり手の内です。痛い思いをさせてしまいましたがこれも(天の将にこれを与えようとした時、先ずこれを苦しめる)という風に理解下さい。


思わぬ事で時間を費やしてしまい、今回は基本打込みを省略し兵法の稽古にはいりました。本伝の太刀のみを繰返し遣い合いました。随分と充実してきましたが課題はやはり基本刀法のうち順の切り(袈裟きり)でしょう。今一度、確認し合いましたので充分に一人稽古にて精進願います。


40年以上にわたる剣の修行の中で思いもせず初めて相手を傷つける結果となってしまいましたが、これも打つべきところまでは本気で打込める様に、手心を加える事の必要ないと判断できる後進が育ってきた結果でもあります。その事は大変嬉しく思います。