広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

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8月31日、8月最後の稽古会。

www.megaegg.ne.jp令和元年8月31日、8月最後の稽古会を行いました。この夏の猛暑も台風、大雨を経て確実に秋の気配を感じるここ数日ですが、この日はまだまだ残暑の盛りでありました。湿気もやや高く、蒸し暑い道場内でありました。

夏の名残を惜しむ様に若者達が、各地から万障繰り合わせて出向いて参りました。先ずは各人挨拶を済ませて、思い思いの場で一人遣いに勤しんでおりました。湿気の多さも有り、流れ落ちる汗は半端なものでは有りませんでした。平素の激務の影響で有りましょうか、関戸君はこの段階から少し呼吸を一息一息入れながらの様子で有りました。

猛暑の疲れが出て来る頃ですから体調管理は万全をきすように伝えました。

座礼を行い、先ずは木刀による打込みにて、一人遣いで残った体中の汗を流し尽くす様に連続打込みを行いました。切れそうになる呼吸を懸命に保ち、気を出し続け、許されるまで懸命に打込んで参りました。

正面、順逆、相懸け流し、返しと一つ一つに精度を求めながらも気一杯の打込みを繰り返しました。

疲労に苦悶の表情で頑張りながらも、しかし手の内が硬く成る事は断じて許さず、其の気を逃さず巻技を繰り出して、常に柔らかい手の内を求めました。硬くなった瞬間に巻技で両手を決められる苦しさに驚きながらも、柔らかい手の内を求めて励む弟子達でありました。

兵法に移り、先ずは何が有ろうとも外せぬ(三学円の太刀)を一同で気一杯で掌中の珠を磨き合う様に遣い合いました。何時使っても一門で有れば誰と遣っても常に新鮮で新たなる手応えと清々しさを味会えます。有り難い事であります。

その後は、この様な蒸し暑い日ですので汗を流し尽くす事が一番です。それに相応しい試合勢法を少し多めに伝授し、遣い合いました。現代剣道の中にさり気なく、しかし脈々と伝えられている技を伝え、その習熟を求めました。皆必死に取り組んでおりました。

どんなに激しく遣い合っても柔らかく遣えるように・・・遣い合えば自然に柔らかさが身に付きます・・・その為には飽く迄も自然に竹刀が走る様に・・・正しさを求めて遣い合いました。真の強さは柔らかさの中に有りです。

あっという間の5時間が過ぎ去り、稽古終了と致しました。

いよいよ明日から9月、実りの秋を迎えます。一門の実りをひそかに期待する小生で有ります。