広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

招魂社稽古会

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招魂社での稽古会を行いました。大阪から野原君が稽古に出向いて参りましたので急遽招魂社での稽古会と致しました。この四月に演武を行いました良きご縁のお陰で急な稽古にも場を提供して頂いております。有難い事であります。


無論日中の稽古でもありクーラーなど有りはしませんが小高い丘の麓に位置し木々を伝う僅かな風もあります。窓を開け放し、しかし確り蚊取り線香を焚いての稽古でありました。


先ずは先般伝授した居合(表)の検証をする事としました。何本か手順の曖昧な処を今一度其の理と共に示し正しました。身幅広く重ねも厚い平高田の名刀を我が物とするべく大変な汗を伴って振っておりました。自身の身体の一部となる日もそう遠く無いで有りましょうが、今までの刀が軽すぎる物で有りましたので新たなる差し料に少々難儀しており、力みからくる汗でも有りましたので途中特に手の汗を拭わせながらの抜刀で有りました。居合(表)七本の後に抜き打ち二本の伝授を施し、今一度しっかりと抜きこんで貰いました。二種類の抜き打ちの違いを新鮮に感じながらその違いを楽しんでおりました。


一服をいれ兵法に移りました。先ずは基本打込みを行い刀法の確認を行いました。正面打ちの体の沈みを指摘し、工夫するように諭しました。剣の身法の基本は腰の水平移動です。打つ度毎に腰が上下していては物の役にはたちません。順逆の足の運びもいまいちです。花魁の様な足捌きでは相手を捉える事など出来ません。二の斬りに繋がる順の打ちも肘から先で押しています。確りと刀法にならねば成りません。斬りに繋がる打ちを常に目指さねば成りません。


今回は本伝の太刀のみを時間の許す限り遣い合いました。経験の割には合撃の手応えに不足を感じました。自身の人中路を斬り通す太刀筋が最も大切ですので、今まで以上に平素の一人稽古にてその太刀筋をもっと精密なものとせねば成りません。もっともっと振り抜き身体の力みを取り去らねば成りません。所詮剣は振った数ほどにしか言う事を利いてくれません。正しく理解したならば後は兎に角数多く振り込むのみです。


四時間の二人稽古がアッと言う間に過ぎ去りました。それだけ充実した時間を共有出来たと言う事であります。この様な時間を積み重ねて行けば前記の様な課題も瞬く間に解決して行く事でありましょう。突如の雷鳴を合図に今回の稽古を終了いたしました。