広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成25年厳島神社奉納演武

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平成25年宮島厳島神社奉納演武大会にて演武を行いました。梅雨入りをしているとは言え、延春先生の命により厳島神社の演武に参加するようになりまして17年の歳月がたちますが、一日中雨と云うのは記憶に有りません。雨の宮島もそれはそれなりに風情が有りますが、足元の泥濘には少々閉口しました。しかしながら、その様な事にもまして皆の心配事で有りました全員参加出来るか否かの危惧が見事に解消されました事は、皆の心を日本晴れの気持ちにさせました。好美君が第四クールを終えて、僅か六日目にして皆と共に演武の場に立つ事が出来ました。本人の気力は勿論ですが、周りの方々の応援気配りに感謝、感謝でありました。当日は介添えに村山さんの奥様が付き添って下さり、彼女もこれ以上ない心強さを持っての演武で有りました。今一人の応援は日頃から刀の件では大変お世話になっております福永刀剣店の社長さんであります。足元の不自由な福永さんが車椅子で駆けつけてくれました。感謝感激の一同でありました。


演武は彼女の体調を考慮して頂き、演武順序を前に変更して頂きました。先ずは男性三人が先陣を切り、初出場の永原君の三学から演武を開始しました。一年以上も前からこの日の事を命じておりましたので、彼なりに平素から心身の準備を怠らずにこの場に立つ事が出来ました。しかしやはり初めて神前、人前で、しかも初めての場で遣う事は想像以上に重圧を感じ又神経をすり減らした事でありましょう。演武を終えた彼は少々放心状態の様で有りました。次に野原君が昨年のリベンジをきして、中段に臨みました。余りに酷い状態で有りました昨年の出来を払しょくする演武でありました。小生もほぼ満足で有りました。礼法の僅かな不自然な動きと、城郭勢のおかしげな備えは今後の課題と致しましょう。全体の働きは合格とします。そして数組のちに廻りの限りない配慮と期待をかけて頂きまして好美君の燕飛となりました。その頃には海側から薄日が差し、逆行の中での打太刀で有りましたので、顔の表情は全く見えませんでした。確りと彼女の気を感じながらの燕飛となりました。後で聞けば場に立った時点でフラフラで有ったとの事でしたが、只呼吸法に集中し彼女の気を感じているだけの小生には、微塵の揺らぎも感じませんでした。序の拍子で始まり破、急と浮舟に到り、夢の中での様に遣いきる事が出来ました。全てに感謝、満足の一瞬でありました。