広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

九月遠征明け稽古会

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遠征明けの稽古会を行いました。この土日稽古会共に遠征の反動で参加できない者も有りましたが、それはそれで致し方の無い事でもあり又遠征に配慮してもらった者に取りましては恩返しの休日出勤も人として当然な事で有ります。一人、六クールに及んだ投与の為、体調の回復がまま成らないまま稽古に参加して、自身の不調が皆の稽古の邪魔に成って無いかと一人気をもんでいた廣川君に取りましては思いの丈の稽古に取り組めたようで有りました。しかし何時ものペースで稽古に取り組めない先輩を気遣う事は有っても邪魔に思ったり不快に感じる者など1人もいる筈も有りません。まあこの様な気の迷いも副作用の一つと一笑にふしますが、少し同輩達を見くびってはいませんか。当道場にはその様な心なき者は一人もいません。


遠慮してこれまで不充分なままであった基本稽古を自身の出来うるペースで遣い終える事が出来ました。休む回数を多く取り、お茶で喉を潤しながら充分に時間を遣いながらやり終えました。自身も驚くほどの汗と共に時間を気にして遠慮していた打込みを遣い終えました。


カテーテルで痛めつけられた腕の血管の所為で有りましょう、常に感じる腕の重たさの為にそれまでの様に鋭く遣えぬ竹刀捌きに、時に涙しながらしかし負けずに必死に遣う三学は得も言われぬ良き太刀連れを具現しておりました。そして次第に涙が乾いてゆくと共にその瞳は冴やけき色を呈しておりました。打ち終え、納まった時の眼の色は深き湖を連想させるような神秘的な色、雰囲気をたたずませておりました。初めて観る愛弟子の眼の色でありました。生涯忘れ得ぬ一瞬で有りました。


九箇、奥義の太刀の一手を遣い合いながら弟子の思わぬ一言に新たなる工夫のヒントを感じた小生で有りました。こうであると思い込んでいたかもしれぬと今一度検証工夫を思い至った二日間で有りました。これもまた直伝稽古でしか味わえない教習の一つで有ります。有りがたい事です。