広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

四月第三土曜日稽古会

四月第三土曜日稽古会を行いました。先週の日曜日とはうって変わり永原君との直伝稽古となりました。これも又良しであります。余人を交えずの稽古は時として思わぬ展開が生まれますので、これはこれで毎回楽しみであります。礼法の前に一人遣いをする彼を見取りながら、フッと学生時代に入門してきた時の事を思い出す小生で有りました。言葉も少なく、海の者とも山の者とも判らぬ若者が、よくぞここまで続いて来たものだと、様になってきた一人遣いを観ながら感慨深いものを感じました。
 
基本稽古を行いながら心地よさげな汗を流す彼でありました。本日はこの処指摘しております真っ直ぐな体の運びに気が行き過ぎている様で、少し小さな遣い方に終始している処を打込みを続けながら正して行きました。一つの事に気が行けば何処かに歪みが来るのは致し方のない事ではありますが、又捨て置くわけにも参りません。何にしても剣とは難しい物で有ります。
 
兵法は三学、九箇、中段、小転と遣い合いました。合擊は少し弾かれ気味の処が出ておりました。その原因は無論拍子にも有りますが、今回の原因の第一は太刀筋の乱れで有りました。それは文を斬る時にも如実に現れておりました。まずは其処を指摘し正しました。二の斬りは初太刀が最も良く、二本三本目と整えて仕舞いました。若者は若者らしく、勢い良く遣わねば成りません。老成するには30年早い。九箇も可也良くは成ってまいりました。捷径、八重垣とまだまだ物足りない処は有りはしますが、十太刀の二の斬りは素晴らしい打ちを繰り出しておりました。中段は久しぶりと言う事もあり、何やら新鮮な感覚で遣っておりました。本伝の太刀と違い、少し拍子の変化及び勢いに押されて太刀遣いがぶれておりました。伝授された太刀は急に求めれても然りげ無く遣いこなして欲しいものであります。小転は下段変七勢法を遣い合いました。まだまだ左右の連動に四苦八苦しておりますが、今後毎回遣い合いながら、その熟成を待ちましょう。
 
最後に抜刀を時間まで抜き合い、本日の稽古を終了としました。稽古は丸亀でうどんをたぐりながら、何時もより多い会話を楽しみました。
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