広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

五月最初の土曜日稽古会

五月ゴールデンウイークあけ最初の稽古会を行いました。二週間近く稽古が空いてしまいましたが、これだけ間隔があくのは数年振りの事であります。ウズウズする身体で稽古の虫の廣川君が乗込んで参りました。裏山の新緑もますます瑞々しさを増して、道場内にその新鮮な息吹を送り込んで参ります。新たなる生命の息吹を感じながらの稽古会で有りました。
 
自然と基本稽古にも熱が入り、何時も以上に張り切って打ち込んでくる好美君でありました。体調が良いのか、一息入れる時間もこれまでよりは少なく、もう一本、もう一本と熱心に求めて参りました。来週早々には決定する第九クールの不安を振り払うように、この一瞬一瞬を慈しんでおりました。
 
兵法に入り、まずは三学を気一杯で遣い合いました。心地よく決まる合擊、その良き手応えのままに繰り出される二の斬りは一分の隙もない見事な物で有りました。これが三本共に見事に決まりました。久々に決まった三本でありました。遣い終えた後に共に自然な残心を呼吸法にて調えて、確りと言葉にて褒めてやりました。それほどに充実した勢法でありました。本人も満足の一本であった様であります。しかしながら合擊は遣いこなすとなると困難極まりない拍子の太刀で有ります。良い手応えが三本続いたからといって次も良いかというと、そうとは言えません。案の定、次の勢法九箇の十太刀では、これも又珍しく遅れておりました。これが剣の難しい処であります。一本一本が新たなる一瞬で有ります。何度打っても新鮮な所以でも有ります。最後の村雲もユガケの上からしこたま打ち込まれて、思わず顔をシカメテおりました。拍子は悪くなかったのですが、立ち向かわずに逃げてしまった処に敗因が有ります。所詮剣は勇の事であります。逃げて勝機は有りません。
 
その後、小転を遣い合いました。片手太刀の左右を連動させる遣い方に嬉々として取り組んでおりました。ますます深まる体術の雰囲気に平成の連也を目指すと豪語しておりました。・・・!
最後に木刀にて燕飛を遣い合いました。最初はお手柔らかにとか申しておりましたが、始まってしまえば夢中に成って遣っておりました。竹刀とは又違う打合う感触、音に触発された様に気のこもった浮舟で激しくしかし静かに治まっておりました。遣う度に深まって参ります。又その都度浮かぶ疑問を昇華しながら高まって参ります。今回は浦波の体捌き、足捌きに一工夫を与えました。納得の様子で有りました。
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