広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

2月第三日曜日稽古会

平成31年2月17日、2月の第三日曜日稽古会を行いました。この日は、柳井から関戸君が出向いて参りました。前回の稽古には参加出来ずに、野原君と再会出来なかった事を残念がっておりました。大島のライフライン本復旧に忙殺されている現状では致し方ありません。機会の出来た時の稽古に集中するのみであります。
時間を惜しむ様に一人遣いに没頭しておりました。その様子を観ながら感じたのは、僅かな力み・・・其処は、僅かな言葉を添えて正しました。日常の激務から来るストレス、疲れ等が手の内に僅かな力みを生じさせ、それが左腕の縮みとして表れておりました。根幹は、手の内の締めと感じました。
一同で静かに呼吸を合わせ、座礼を行い稽古に入りました。
先ずは、木刀による打込みを行いました。木刀と木刀の打合う衝撃に、最初はますます手の内にニギリを生じさせていましたが、其れでは手が痺れてしまいますし、何より打込んだ感触がよくありません。しかしながらそれも打込みを続ける打ちに、少しずつ解消されてきました。行の大切さで有ります。
木刀による打込みで良き感触が出て来たあたりで、次に蟇肌竹刀での打込みに移りました。その際には、木刀でのそれと違い元立に対して打込ませます。木刀目がけての打込みで良き感触が出ておりましたが、今度は人に対して打込みとなると心に及ぼす影響が違ってまいります。
案の定、一人遣いの際の手の内のニギリの現象が見て取れました。攻めを施し、其の攻めを浴びながら気力を振り絞っての打込みをさせながら、阿吽の呼吸ででた元立の打留め・・・相懸け・・・ではなく打留め・・・元立としても正しく無意識の作為なき打留めであります。
突如の打留めをされ、その場に崩れ落ちる関戸君でありました。何が起きたのか・・・何故に打留められて体が崩されたのか・・・頭ではしかと理解出来なくとも彼の身体には、阿吽の呼吸の直伝は、確かに伝わっておりました。
その後に行った打込みの際に(されまで)と小生が発して終わりにした最後の一本の打込みの手の内に直伝が凝縮されておりました。嬉しき喜ばしき一本で有りました。