広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

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9月28日土曜日稽古会

令和元年9月28日、9月最後の稽古会を行いました。この日は、体調不全の小林君は急遽不参加となりましたが、他の者達は夫々の万障を繰り合わせて出向いて参りました。稽古後に仕事の予定の入っている者もありましたので平生の稽古時間より一時間繰り上げて稽古会でありました。

あと二日で10月に成ろうとするこの時期とは思えぬ蒸し暑さの一日で有りました。小林君の体調不良もレースシーズンの疲れの蓄積と共にこの天候が影響していると感じました。皆一斉に汗を拭いながら先ずは、一人遣いに精を出しておりました。

今回も一言づつ言葉を添えて各人に正すべき処を伝えました。判っているつもりの事柄もなかなか現実として遣い切れていない事があります。又、思い込みで歪めている事も有ります。それをこの場で毎回正して参ります。

関戸君の早さ鋭さを求めるあまりの振りの小ささ、僅かな硬さ・・・先ずは心身の遣うべき処を全て正しく遣う。大きさの中には、正さと言う事が厳然と求められます。

永原君の両足の踏み方その後の備え・・・歪になっている処を正しました。

齋藤君の状態の反り、仰け反り・・・そして振った後の身体の動揺・・・原因は、一つであります。その点を毎回指摘し、理解を求めております。何事も身に付けるには時間が掛かります。

座礼を行い先ずは、木刀にての打込みを全員で行いました。皆夫々に木刀での打込みに慣れ親しんで来ております。何よりまずは、足捌きが軽やかになって来ております。木刀どうしを打ち合わせる手の内にも力みが無く成って来ております。硬い物どうしの激突にも少しづつ手の内でその衝撃を吸収できるようになって来ております。

そろそろ次なる展開に移行しても良いかと感じております。防具を着けて、剣道の竹刀を用いての打込み地稽古をそろそろ経験させても良い時期に近づいてきている事を皆に伝えました。皆夫々に興味深々の様子でありました。先ずは、防具を着けた元立に打込んで貰い、その心地よい感触を手の内を通して感じて貰い、次なる段階として人相手に対峙し一本取を取る難しさをとことん実感して貰います。目指すは、形稽古と地稽古の一致です。これが別物では何の意味もない!

当会の存在意義は、此処に有ります。

本伝の太刀を遣い合いながら弟子達には、有形無形にその事を伝えています…彼らが何処までその真意を理解できているか・・・只々信じて伝えてまいります。

少しづつ上達をみせる弟子達に次なる気付きを求めて、新たなる開示を施して参ります。小窓の空き・・・開示され動揺のままに勢法に臨み、メタメタの状態の関戸君に飛び出した和卜の真の拍子・・・これだから剣は面白い!心身共に最高の状態では、中々に触れる事の出来ない境地が、メタメタの状態に突然に得る事が出来る・・・剣の神様もなかなか粋な事をされる・・・所詮、苦しみ無くして得る事が出来る物など無いと言う天の采配で有りましょう

本日も忘れ得ぬ一日、良き稽古会でありました。

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