広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

f:id:heike10:20191031091135j:plain

f:id:heike10:20191031091430j:plain

地稽古の開始・・・先ずは、剣道竹刀を小手を着けて振込む。

令和元年10月27日、10月最後の日曜日稽古会。この日は、前回の関戸君に引続き小林君の初めての地稽古の日と成りました。今後は、一日に一人、地稽古をして貰います。

しかし先ずは、新陰流の稽古です。何時もの様に新陰流の木刀を遣い、一人遣いに精を出す若者達でありました。スーパーGTのシーズンも後一戦を残すのみとなった小林君もシーズンの疲れが色濃く感じられる遣い様でありました。明らかに拳の下がりにその兆候が現れておりました。即座に正しました。何時まで経っても自分で気が付かぬ・・・未熟者で有ります。ヘタリ打ちを繰り返しても悪癖が付くばかりであります。

座礼を行い、木刀にての打込みに移行致しました。又しても畳の敷かれた上での稽古が一か月続きますが・・・それも又良しであります。違う足裏の感触を楽しむ様に打込みを行いました。

兵法は、本伝の太刀を遣い合いました。ここの処、足裏の痛みの為に踏込みに迫力を欠いていた永原君ですが、この日は久々に強い踏込みが復活しておりました。思わぬ畳効果と言う処でありましょうか。彼も久々の力一杯の踏込みを心地よさそうに楽しんでおりました。永原君との燕飛の太刀にて新陰流の稽古を終了とし、小林君との地稽古を行いました。

防具の着装を教え、先ずは防具を身に付けての打込み、切り返しであります。慣れぬ防具の重さ、素肌で行う稽古との違和感に最初は戸惑っておりましたが・・・これまでの新陰流の稽古のままに遣う事を命じると・・・次第に違和感なく遣うようになって参りました。元立の面に打込む感触も最初の叩くような力みも次第に消え失せ、新陰流の蟇肌竹刀で打込み感触に近く成って参りました。

いよいよ地稽古であります。難しい事は言わずに今回は、人と対峙し、自由に打ち合い、一本を取る事の難しさ、成す術も無く打ち取られる悔しさをとことん味待ってもらう事と致しました。

待っていれば、スッと間合いに入られ・・・受ける事も出来ず打たれ、打って行けば、其の瞬間に面に乗られ、小手を打たれ・・・後は只々逃げ回るしかない小林君でありました。そして逃げる事も許されず・・・成す術もなかく・・・途方にくれる彼を鼓舞し、息絶え絶えまで打込みを行わせ、初めての地稽古を終了と致しました。

短時間にこれまでに有り得ぬ汗を流し尽くし、疲労困憊の中にも何故にか感じる清涼感・・・成す術もななく打ち取られる中にも一条の光明を見出した喜びも感じ取った彼で有りました。今までの新陰流が活かせる・・・その実感も確りと共有した師弟で有りました。無論、古流と現代剣道が別物であるはずも無く又、別物では剣とは言えません

当会の稽古が次なるステップへと新たなる一歩を踏み出し10月の稽古でありました。

www.megaegg.ne.jp