広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

2月最後の土曜日稽古会

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2月29日稽古会

令和2年2月29日、2月最後の稽古会を行いました。ここ暫くの春の様な陽気もこの日は、寒のもどりを感じる一日で有りました。スーパーGTの開幕戦も一か月余りとなり、忙しくしておりました小林君もこの日は、元気に出向いて来ておりました。少し遅れて柳井から関戸君も午前中の仕事を終えて駆けつけて参りました。

清々しい冷気の中で先ずは、一人遣いで熱い汗を流す二人でありました。この日は、言葉を添えずに二人の一人遣いを見守りました。

座礼を行い、先ずは何時もの様に木刀にての打込みであります。一人遣いの時に感じていた二人の課題を此の打込み稽古にて導く事としました。剣は動く相手を捉える・・・只、突っ立て打込ませてくれる者など実践では、有り得ません。そこを如何にして捉えるか・・・先ずは、前後にそして左右に動く元立の木刀を目指して、必死に打ち掛かる二人でありました。剣は一撃で仕留めるのが、理想ですが何時もそう言う訳には参りません。一撃で仕留めそこなった後の二擊、三擊が大切です。先ずは、連撃の気迫、足捌き、体捌きを尽きるまで行わせました。攻めの続き…継続で有ります。

兵法においては、この日も地稽古を意識した形稽古を求めました。形に込められた、秘められた術理を掘り下げ、浅く、狭く成らぬ様に工夫考察を求めました。無論遣い合う基本は、気一杯の遣い切りであります。夫々に良き二の斬りの一本がでておりました。地稽古に活かされる一本で有りました。

稽古の締めは無論、防具を着けての地稽古であります。防具の着装も少しづつ良く成って来ている様ですが・・・これも又回数を重ねて行かねば一朝一夕には身に付きません。先ずは、稽古の途中で着装を直す事が無かったのが、この日の収穫でありました。

一人につき約30分の地稽古でありました。打たれ続けながらも何とか反撃を試みる者達でありました。殆どどの様に打たれたのか判らない中に光明に近い一本の小手打ちが有った小林君であります。その時は、何故にか私の面打ちが一瞬見えたと申しておりました・・・良き機会を捉えて、良き打ちを繰り出せば、下位の者が圧倒的な上位者から一本を取れることも有るのが剣であります。正しい攻めからの正しい打ちは、力量に関係なく一本と成る・・・彼らの弛まぬ精進に期待し、見事に師の位の小生から必ず見事なる一本を取れる日が来ると奮闘を促した事でありました。

この日は少し言葉を添え手本を添えて新陰流の形に込められ秘められた術理を如何に小生が地稽古に活かし、遣っているか・・・自分達が、どの様にして新陰流の攻め、技で打ち取られているかを明かし、直伝を施しました。目を丸くして聞き入ってる弟子達が印象的でありました。形が地稽古に活かせる・・・この当たり前のことが、実感とする事が出来たこの日の稽古会であった様であります。

日記