広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

10月最初の日曜日稽古会

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10月4日

令和二年10月4日、第一日曜日稽古合を行いました。過ごしやすい日が続いておりましたここ数日でしたが、この日は一降り有りそうな気配を湛えた床の湿り具合でありました。足裏から伝わる感触は、その様に伝えておりました。そんな中、永原君が最近始まった渋滞をやっと抜け出して道場に入って参りました。

このコロナ禍で日々強いられる消毒液の使用で掌が酷いことになっている永原君であります。早速、この日の状況を確認しました・・・これではまだまだ地稽古は無理であると告げました。小手を着けての稽古は無理であります。

その分、ほかの稽古に時間を遣えば良いだけであります。基本打込、抜刀の時間を増やしました。

打込稽古では、足捌きに留意し、鈍重に成らぬ様に、滑らかに軽やかに体を捌き、運び、大きく、正しくそして鋭く、何度も面打ちを行わせました。頭で言葉で理解しても何にも成りません。行あるのみであります。手の中に残る心地よい感触を求めて何度も打込ませました。

良き体捌き、手の内の良き感触を共有できた処で打込みを終了いたしました。この日の湿気の多さも有り、体中から共に汗がしたたり落ちていました。

兵法では、基本打込で気に成っていたので有りましょう、初太刀の踏込みに大変気が籠っておりました。剣は数本使う内に調子が乗ってくる・・・では、駄目であります。初太刀に全てを掛ける気位が必要です。そしてそれを最後まで継続させる・・・難しい事ではありますが、生涯求めて行く事でもあります。

合撃では、その良き踏み込みを最後まで活かす事が出来ずに最後の一打が弾かれておりました。本日の反省点であると伝えました。

その日の出来不出来に一喜一憂することなく、只々真の一本を求めて、気を込め、振り絞り奮闘するのみであります。

最後に抜刀を真剣を遣い、心行くまで抜き合いました。少しの疲れて相まって、なかなか良き一刀両断の一振りが出ずに苦しんでおりましたが、良き一振りが出た処を確認してこの日の稽古終了と致しました。見事に巻藁を斬り通した様子を共有出来ました。

日記