広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月最後の日曜日稽古会

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11月29日、制剛流抜刀

令和二年11月29日、11月最後の日曜日稽古会を行いました。先週は自宅待機でありました若者が出向いて参りました。感染爆発かとも思われる現状では、夫々の勤め先の状況により稽古回数が減るのは致し禍の無い事であります。出来る時に己を尽くすしかありません。彼も道場に入るや剣道着袴に着替えるのも、もどかしそうに早速一人遣いに精を出しておりました。前回の真剣での袈裟斬りの斬り通しの一手にもこの段階で取り入れさせました。

この日が、シリーズ最終戦となる小林君の健闘を祈りながらの稽古会でありました。奇しくも二か月の海上勤務を終えて齋藤君もこの日に広島に戻ってまいります。これで若者三人衆の揃踏みの稽古会が12月から始まります。

坐礼を心静かに行い、基本打込(木刀)、本伝の太刀、制剛流抜刀を行いました。

基本打込での連れ足は、回を重ねる事に軽やかなものに成ってきております。しかし、連れ足(送り足)が軽やかに成ると踏み込みが甘くなる・・・剣とは難しい物であります。しかしそれでは本末転倒です。先ずは・・・踏み込み有り!です。剣は踏込みに始まり踏込みに終わる・・・何処までも踏込みを求めて行きます。

踏込みの甘さは、兵法においても合撃、二の斬りに出ておりました。本数が進むにつれて課題を思い出した様で、終盤には良き打ちが出ておりました。しかし剣は、初太刀こそ大事・・・すべてと言って良い事です。これまた本末転倒に成らぬ様に求めました。

抜刀では母刀と共に袈裟斬り・・・斬り通しの順から後に逆を・・・何故にか順で思い通りの羽音が出ずに四苦八苦しておりましたが、逆を遣わせると本人がハッとするような冴えた音を醸し出しておりました。

答えは己の中に有る!です。逆と同じ冴えた羽音を求めて何度も振り込んでおりました。

掌の炎症の為にここ数カ月控えていた地稽古をこの日から再開させました。余り無理がかからぬ様に時間は少し短めとしましたが、稽古後に彼の掌の状態を確認しましたが、支障は無いようです。これで心置きなく稽古を付けられます。地稽古の課題は、打たれる事をおそれて下がり続ける事・・・逃げる事であります。地稽古は前に出て打たれる事は、明日につながりますが、下がり逃げる事は、何の役にも立ちません。時間の無駄であります。稽古に成りません。現に慎む様に厳命しました。打たれる事を怖がり、嫌っては上達はあり得ません。只只管に上達する稽古を命じました。

4時間の濃密な時間を共有し、本日の稽古終了と致しました。

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日記