広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月第二日曜日稽古会

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12月13日、制剛流抜刀

令和二年12月13日、第二日曜日稽古会を行いました。今年最初の寒波予報の中の稽古会でありました。いよいよ冬本番を迎えますが、心配はコロナ問題であります。広島でも連日感染者数の更新が伝えられ、公共施設の使用も制限される情報が伝えれております。この道場も数日後には使用が制限されるやもしれません。先ずは、本日の稽古を心行くまで楽しむ事としました。

冷気に満ちた道場ではありますが、一振り二振りと気を込め木刀を振っておりますと体の芯から熱気が満ちて来て、寒さを感じなくなるのに然程の時間は要しません。そんな中でも看過出来ない身体の遣い方には、一言添えて自得を求めました。

一人遣いを行い、坐礼を行い、その際に新たなる打込み用の木刀を手渡し、基本打込へと移行しました。それぞれに木刀による打込みにも良き意味での個性が出て来て、良き雰囲気を醸し出しておりました。しかし、踏込みの甘さには言葉を添えて正しました。剣は踏込みであります。本末転倒に成らぬ様に厳命致しました。

兵法では、踏込みを意識しすぎるあまりに、自身の踏込みの勢いに負けて体勢を崩す事がありました。これまた本末転倒・・・踏込みは身体を調え、剣に冴えを出すものです。何処までも足腰刀の連動を求めて参ります。

一見何もされていないのに自身の体が、つっかい棒を外された様に・・・前に出たくないのに自身で制御出来なくなって前に崩れ出てしまう・・・不思議な現象に目を白黒する齋藤君でありました(実は地稽古では良く体験している事ではあります)。

抜刀での袈裟斬りでは、やっとこれまでの修行の成果の片鱗が出て来ておりました。正面の一刀両断の太刀筋では出る良き刃音が・・・袈裟斬りでは出にくい・・・その事に必死に取り組む若者達でありました。そして・・・突如と発する冴えた刃音・・・その音を出した本人自身が驚き、その感動を周りの者が共有する。彼我一体と成った雰囲気に満ちた道場でありました。

最後に防具を身に付け、地稽古を時間の許すまで来ないました。前回は逃げ回っていた齋藤君も今回は何とか逃げずに前に出ようとはしておりました。しかし・・・まだまだ逃げ打ちの気配は拭えません。身を捨てねば真の一本には成り得ません。真の一本を求めての精進がまだまだ続いて参ります。

日記