広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

二月第二日曜日稽古会

f:id:heike10:20210217092744j:plain

2月14日稽古会

令和三年2月14日、第二日曜日稽古会を行いました。久々の同年代三人衆の揃い踏みでありました。そして齋藤君の三か月の海上勤務前の送り出し稽古会でもありました。

又しても道場の用意が他の者の手で整った後に入場してきて、一言の断りの無い横着者に一喝・・・前回も同様・・・この無神経さは・・・。修行に臨む態度が、成っていない!この者一人の問題とせぬ様に皆に申し付けました。

三か月間の海上勤務の為に暫く稽古に参加出来なくなる齋藤君は、一人遣いに黙々と取り組んでおりました。他の二人も夫々のペースで各人の思いで取り組んでおりました。

全体稽古に臨み、先ずは正面に向かい、呼吸法を共にし心を一つとしました。正面の廣川君も久々の三人衆の揃い踏みが頼もし気でありました。その場で今一度、すべての事が他人事と成らぬ様に、常に感性を鋭敏にし、事に臨む様に諭しました。剣の修行の場において、無作法は無論、横着や無神経はあり得ぬ・・・今一度肝に銘じる事を厳命致しました。

木刀での基本打込では、先ずは大きく正しく振る事を実践させました。根幹は、鋭い踏込みです。常に足に連動させる・・・足腰刀であります。相撲の四股を踏む様な動作では無論なく、剣其の物を振る為の踏込みです。踏込みの無い剣は、剣にあらずであります。生涯をかけて求めて参ります。

そして踏込んで後の軽やかな移り身・・・連れ足(摺り足)(送り足)の技法の習得であります。もっさもっさとした歩み足だけでは、物の役に立ちません。軽やかな足捌きを基本打込で身に付け、地稽古で更に自在な物とする・・・それを形稽古にも活かす。形稽古だけでは、判らぬ、身に付かぬ事を補い、活かす。精度を高めた形稽古を地稽古に活かす。剣の修行は、三位一体であります。

兵法(形稽古)では、気一杯で遣う事を常に厳命しておりますが、ややもすると徐々に調子を上げて行く傾向にあるのが、この三人衆の特徴であります。これは口を酸っぱくして何度も正します。剣は、初太刀に全精力を懸ける・・・これを実践せねば、所詮剣を理解し、身に付ける事は叶いません。自身の勝手な好みなど入れる余地なし!

抜刀では、基本稽古、形稽古で活かす刀法の確認であり、更なる真の刀法を求めての振込であります。別ものに成らぬ様に一つの物とする稽古であります。

稽古の締めは、防具を着けての地稽古であります。人と人が向かい合い、打ち合と言う場に直面すると之までの修行稽古を忘れてしまい、有らぬ事をしてしまう三人衆であります。再度、形稽古の様に遣う事を厳命し、今回は、攻めの手解きをしました。

三人を相手の一時間余りの地稽古でありました。自身の地稽古以外では確りと見取り稽古をさせ、どの様に攻め、崩し、引き出し・・・打ち取ってるかの勉強をさせました。少しずつ、少しずつ・・・しかし、着実に神髄に近づいて行くように。

あっと言う間の6時間でありました。その後、場所を移し食事を共にしながらの反省会を兼ねた歓談の場でありました。

日記