広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

8月第一土曜日稽古会・・・招魂社にて

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8月7日

令和三年8月7日、8月最初の稽古会を行いました。先週の稽古の際に心配した通りに、全国的なコロナ感染者の増加は増々勢いを増し、更なる緊急事態宣言の追加、延長がなされ、平生の道場も3日から9月12日まで使用禁止と成って仕舞いました。その為に本日は、この場所をお借りしての8月最初の稽古会と成りました。お盆休み前の最後の稽古会でありました。

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21~22日に鈴鹿でのスーパーGTを控えた小林君の送り出し稽古会でもありました。直伝稽古でありましたので一人遣いの時から少々厳しめの指導から入りました。之までも何度も折を見て伝えて有る事を未だに正さず、甘えている様子に業を煮やしての叱責を行いました。成らぬ物は成らぬと伝えている事を未だにその儘にして恥じる事のない様子がどれだけ自身を貶めているか・・・何気ない所作事と浅い気易い意識がどれだけ自身の精神に堕落を与えているか・・・強く認識させました。

今度こそは、人間的な甘さからの脱却を求めて稽古を続けました。木刀による基本打込でも前回指摘された事のみに気が行き、物打ちで捉えると言う大切な事を又しても忘れ去っておりました・・・根幹に成る事を見落として何としますか。一つの事に気が行けば、他の事はお座なりに成る・・・甘い!一つ一つ精密に身に着けて行くしか有りません。甘えは許されません。

兵法では、最も大切な気の続きが出来ていません。一つ一つの出来に一喜一憂して、稽古で目指すべき最初から最後までの気の続きがお座なりに成って仕舞っています。之も又根本を見失っています。強くその点を再度申し付けました。

抜刀では、居合(座り技)の三手を伝授しました。体術の入ったその形に興味津々の様子で有りました。これも上滑りする事なく、深く理解し、身に付ける事を求めました。

最後に防具を着けての地稽古で稽古の締めとしました。少し剣と言う物が判ってきた彼であります。そうなると打たれっぷり良くなってきます。本日の小林君が将に其れでありました。若く、身長も180センチと高く、平生プロレーサーとしてインストラクターに付いてトレーニングをしている若者が、初老と言って良い師匠に成す術無く打たれ続ける・・・体捌きを伴ったその打ちにスピード負けする・・・動きに付いて行けない・・・竹刀の動きが見えない・・・スーポーツの世界では凡そ有り得ない事が自身の身に起きている・・・武道のしての剣の奥深さをトコトン味わった彼でありました。

しかしながら打たれながら自然と強くなって行くのが、剣であります。その事に自然と気が付く日の近いことも感じた本日の稽古会でありました。

次回のレースに向けての良き送り出し稽古と成った一日でありました。

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