広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

剣友村山さんのお墓へのお参り

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3月11日

令和四年3月11日、この日は東北震災から丸11年の日でありますが、同時に剣友村山正敏さんの10回目の命日であります。丸6年に及ぶ病(脳腫瘍)との戦いを経て10年前のこの日ご自宅で静かに旅立たれました。

その日は、平生の道場で一門で稽古に勤しんでおりました。その最中に奥様から連絡が入り、逝去をしりました。病が発病してから6年、治療の為に入院しては克服し、何事も無かったかの如く飄々と稽古に復帰しておりましたので今回も一門一同それを信じて待っておりました。

それが・・・稽古を終えて皆でご自宅に駆けつけました。ベットの上で安らかな様子で6年に及ぶ戦いを雄々しく戦い抜き、最後まで出来る剣の稽古を遣り通した村山さんが横たわっておりました。

父が急死し母が病で旅たち、もう流す涙もこの体には残って無いと思っていた我が身の中から止めど無く流れる涙を昨日の事の様に思い出しました。大の大人の男が人目をはばからず泣き尽くしました。

村山さんの剣道は、子供さんが剣道を始められた事が切っ掛けで親御さん達も一緒にやり始めたものでありました。大人に成って始めた剣道で有りますが、以来熱心に稽古に取組み、その頃小生が指導に通っていた道場へ稽古にみえられ年下の私を(先生、先生)と慕って頂き、弛まずに稽古を続けておられました。小生が平成12年に現在の道場で会を立ち上げてからは、其処へ毎週欠かさず通って来られるように成りました。

不治の病が発覚してからも小康状態と成れば、防具を担いで道場にみえられ、出来る稽古を只々小生との稽古を楽しみにお見えになっておりました。地稽古が出来る体力がない時は大好きな剣道形を楽し気に一本遣り通し、満足げに帰って行っておりました。

その村山さんが旅立って・・・もう10年であります。あの楽しかった稽古の数々に思いを馳せてお墓の前で時を忘れて語り合いました。合掌!