広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

師走第三日曜日稽古会

平成28年12月18日、師走の第三日曜日稽古会を行いました。この日は、今年最後の稽古に成るであろう者達が出向いて参りました。体調不良の続く廣川君と急な仕事が入りました小林君は欠席と成りました。今年最後に成るであろう兄弟弟子達との交わりを楽しみにしておりました廣川君でありますが、病そのものと薬の副作用のダメージは、いまだ彼女の日常を平穏な物とはしてくれません。何とか一日でも早く投薬前の元気な状態に戻って欲しいと願う一門で有ります。
今年最後に成るであろう者達は、道場に入るやいなや一分でも時間が惜しいとばかりに一人遣いに励んでおりました。通常のルーティンに終始する者、平素の一人稽古を観て欲しいとばかりに遣う者、夫々でありました。
基本稽古の打込みを遣い合いながら、二人の今年一年の上達ぶりを実感する小生で有りました。無論、多々問題点は有りはしますが、薄紙一枚一枚を積み重ねる如く良き上達を実感できる物でありました。関戸君は、まだまだ打込む機会、拍子の実感に工夫検証の毎回で有りますが、この日は丸で打込み台に打込む風情でありました。しかしながらこれも又過程としてはOKであります。しかし何時までも此の儘で良しとはいきません。今後の自得を待つばかりであります。
本伝の太刀を遣い合いながら、この一年で二人ともに二の斬りの太刀筋が大変良くなったとシミジミ実感いたしました。今後の課題は、やはり合撃であります。しかしながらこれは生涯かけて求めて行くものですから軽々な結果を求める物では無論有りません。只、時として感じ合える、得も言われぬあの痺れるような手応えを少しでも一瞬でも共有したい物であります。
今年最後の時間の締めは、真剣による抜刀を抜き合う事でありました。過ぎゆく時間を惜しむ様に、慈しむ様に、心を込めて抜き合い、稽古を終えました。
稽古後は、道場のすぐ傍の中華の店に場を移しての忘年会と致しました。四方山話に花を咲かせながら今年一年を振り返りました。途中で懸かって来ました電話は、廣川君からでありました。皆に電話を渡して暫しの近況を語り合って貰いました。病と向き合いながら日々を過ごしている彼女との暫しの時間は、一門に取りまして締めの稽古に相応しいひと時で有りました。
新春の稽古初めの再会を楽しみに散会と致しました。