広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

4月剣道特別稽古会・・・新年度稽古始め

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令和四年4月10日、この日は昨年から行っております剣道7段挑戦者の為の剣道特別稽古を行いました。新年度の剣道特別稽古会の稽古始めとなりました。

咲き誇っていた団地内の桜も何時しか満開の時期を過ぎ去り、潔く散っておりました。

年度末3月は税務のエキスパートとして多忙な時期を過ごした7段挑戦者が久々の直伝稽古に渇望した様子で出向いて参りました。余人を交えない純粋な直伝稽古でしか味わえぬ趣があります。これを真に知ると現在巷に有るような集団稽古では満足できなくなります。当然と言えば当然な事ですが、その実践が中々に難しい。

この日も先ずは、剣道形の仕太刀だけを10本、彼我一体の合気を求めて呼吸法を一つとして遣い切って貰いました。稽古を始めた当初は、途中中断を余儀なくされる事がありましたが・・・現在は曲がりなりにも10本を遣い通せる様に成っております。呼吸法・・・言葉として知ってはいても実践できる者はほぼ皆無・・・これが現実であります。この場では所作事以上にまずはこれを実践して貰います。無論知らぬ者には具体的にその呼吸の仕方を伝えます。之を身に付けるには少なくとも10年を要します。それでも何となく形になるのが10年です。そこからが真の修行です。呼吸法は師弟同行の生涯の精進以外にはあり得ません。

少し間の空いた為に呼吸力はやや不足しておりました。之は已む終えません。少し所作事を正す事としました。打太刀に連れ従う・・・速すぎても遅すぎても駄目・・・打太刀の導きに阿吽の呼吸で応じる・・・これが地稽古にも活きてきます。常に拳の下がらう様に・・・振りは柔らかく、鋭く・・・置きに来ては駄目です。常に活きた剣遣いを求めました。

防具を着けての地稽古では、先ずは基本打込から行って貰いました。ややもすると腕操作が縮こまって仕舞いますので当てるではなく・・・打つ・・・斬りに繋がる伸びやかな打ちを求めました。其れも体を前に運びながら・・・その場打ちは剣の世界では通用しません。これは居合の弊害が少しある様でした。その勘違いの意識も正しました。巻藁斬りと言えども体を運びながら斬る・・・これが真の刀法です。地稽古でもそれを実践せねば剣には繋がりません。竹刀操作の専門家に成らなう様に諭しました。真剣が遣えてこその剣道です。

地稽古では二つの攻めを行い、実際に自身がどの様に攻められ打たれているかの自得を求めました。目から鱗の様な様子で有りましたが・・・自得迄の最初の一歩を踏み出したばかり・・・弛まぬ工夫と精進が求められます。

初夏の様な気候と成った本日の剣道特別稽古でありました。之までとは違った心地よい汗を拭いながら稽古終了としました。