広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

5月第四土曜日稽古会・・・剣道特別稽古

令和四年5月28日、この日は剣道七段挑戦者の為の特別稽古を行いました。彼の職務の為と小生の第27回宮島嚴島神社奉納古武道演武大会(6月5日)準備に忙殺されて、一カ月ぶりの剣道特別稽古となりました。

少し膝に痛みを抱えていた七段挑戦に取りましては、返って良き休養に成ったのかもしれません。膝の痛みも取れて、調子は回復している様でありました。

先ずは、剣道形の仕太刀を遣い切って貰いました。滞る事無く太刀七本、小太刀三本を遣い切りました。

回を重ねる毎に確かに良く成って来ております。稽古を始めた当初は、度々途中で止めざるを得ませんでしたが、今ではその様な事は無くなりました。

無論、次なる課題は目白押しですので、一つずつ正す事としました。先ずは、呼吸法による丹田の張りが、不足しております。先ずは、気の充実が有ってのこその形です。カタチ練習に堕す事無く、真の形稽古を求める姿勢を正しました。

摺り揚げ技・・・現代剣道では最高の技と言われる高度な技です。形でその術理を確りと知り、身に付けねば成りません。そして形で身に付けた術理を地稽古に活かす。

観すぎては遅れます。待ち技に成らぬ様に、攻めの継続を求めました。そしてもっと鎬を意識するように・・・刀の概念を外して剣道は有り得ません。剣の道が剣道です。決して竹刀道ではありません。

膝の具合を良い様ですので、地稽古も確り行う事としました。無論、その前に基本打込を行って貰いました。当てるではなく・・・打つ、その為には伸びやかに竹刀を遣う。

決して手先の竹刀操作に成らぬ様に・・・体全体を伸びやかに遣い、打ち切る・・・体の出、その後の滑らかな抜け・・・何度も何度も打込みを繰り返して貰いました。基本の打ちが出来ねば、地稽古も何も有った物では有りません。

この日は真夏日となっておりましたでしょう。マスクを着けての地稽古は難行苦行の様相を呈しておりました。ましてや攻めを受け続け・・・下がれば追い込まれ、出れば出頭を打たれ、打って行けば・・・摺り揚げられ、返され・・・意識朦朧状態と成った処で本日の稽古終了としました。

防具を取った後の新鮮な空気は格別でありました。明日は大阪から野原君が、稽古に出向いて参ります。