広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

5月最終日曜日稽古会・・・大阪から野原君が

令和四年5月29日、5月最後の稽古会を行いました。この日は、大阪から野原君が直伝稽古に出向いて参りました。一週間後に第27回宮島嚴島神社奉納古武道演武大会を控えておりますので、彼に取りましては二週連続の広島詣でとなります。先ずは大会一週間前の稽古を師弟共々楽しみました。

高速道路交通事故による渋滞の為の道場到着の遅れを取り戻す様に一人遣いに先ずは、精を出す野原君でありました。ここでも木刀での体の運びを伴った振りに、伸びやかさを求めました。振りを止めようとする動作が入ると如何しても腕は縮こまります。正しく振れば、得物は止まるべき処で止まります。止めようとする必要は全くありません。振りの深さを今一度心に留め置きさせました。

坐礼を行い、木刀での打込みでは、小波から大波への体の運びを特に精密に遣う事を求めました。小波は一つで…大波は・・・大きく体を運ぶ・・・形だけに成らぬ様に・・・地稽古で一本を取る気持ちで行わせました。

兵法では木刀での本伝の太刀を・・・彼我とのやり取りを確りと認識させ、手前勝手使いに成らぬ様に・・・何度も何度も遣わせました。

真夏日を超えているであろうこの日の道場内で・・・体中から汗が噴き出て・・・顔は上気し、赤くなり・・・朦朧とする意識の中で奮闘する野原君でありました。

兵法の後は、真剣での基本刀法を中心に、心を澄ませ・・・自身の振る真剣の刃音に集中し、刀との対話を楽しんで貰いました。逆勢程は心地よい刃音をたてない自身の順勢に悪戦苦闘の彼でありました。自由に成る分だけ邪魔をする右手との対話を重ねておりました。

伝えるべき事は伝えてあります。後は自得以外には有りません。知る事と身に付ける事は・・・別物です。

良き稽古を終えて、一週間後の再来広の決意を述べて帰宅の途につく野原君でありました。

日記