広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月第三日曜日稽古会・・・剣道特別稽古(今年最後)

令和四年12月18日、今年最後の七段挑戦者の為の剣道特別稽古会を行いました。前回は、剣道形のみの稽古でありましたが、今年最後の稽古は、地稽古も充分に行う事が出来ました。

剣道形では、前回指摘し実行を求めていた刀を解く時の気構え、呼吸法をもって良く合気と成り、抜く事なく、気の充実を持って遣っておりました。目付・・・目の色共に良き状態でありました。良き目付となった状態での目の色は一種独特のさやけき色を醸し出しています・・・本人は無論気が付いてはないでしょうが・・・心地よい心持で有る事は感じていると思います。

三本目と成った辺りから少し両肩が前に出て来て、構えが歪と成ってきました。呼吸法の苦しさに少し呼吸が乱れていたようです。途中からそれを感じて何とか立て直しておりました。良き事でありました。継続する事の難しさを感じ、一本の形の中で立て直す・・・地稽古に通じる形稽古であります。

六本目の摺り揚げ小手は、摺り揚げ技が効いてなく、鍔元に打込まれておりました。技として成立させる事を求めました。摺り揚げる拍子をしり、合気と成って遣わねば効果は発揮できません。

小太刀の三つの入り身・・・難しい事では有りますが、気の継続と共に挑戦し続けて欲しいと願っております。先ずは所作事を正しく行う・・・所作を正しく行おうとする事で気も呼吸法も整って行きます。しいてはそれが地稽古に活きてきます。

形を一本遣い切り、幾つかの検証を施し、次なる稽古の指針としました。

防具を着けての地稽古では、先ずは正面打ちを息が切れるまで一本一本を大切に打込んで貰いました。一年余り前の状態からは格段に打ちは伸びてきておりますが、今一段の精度を求めました。ややもすると右手に頼ってしまう・・・主は左であります。

その後懸り手の気が尽きる迄、地稽古を行いました。形稽古が活きた、張りのある稽古に成って来ております。本人もその充実を感じながら、之まで以上に完璧に打ち取られながら、それでも怯まずに果敢に攻め気をだし、懸って来ておりました。何れそれが功を奏する日が必ず参ります。当道場以外では、その効果は充分に出ている様でありました。

撃ち落される様な小手打ちが炸裂し、苦痛に顔が歪み動きが止った時点で今年最後の稽古終了としました。

何時七段に合格しても良い状態にはなっていると感じ、稽古後に本人に伝えました。顔がほころんでおりました。

日記