広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

岐阜悟道館への遠征・・・指導稽古

令和五年1月9日、予てから要望がありました岐阜悟道館への遠征を行いました。今回は道場生ではなく館長、特に副館長への指導稽古であります。

昨年の二度の抜刀道の試合を拝見して、ご両名には今後の悟道館の為に正すべき基本刀法について助言をしておりました。その点の実際の指導をお願いされており、今回実行の事となりました。ご両名の剣に対する真摯な申出にお答えする運びとなりました。

片道500キロの車での遠征でありました。当日の昼前の到着を目指して早朝四時の出発とし、11時少し前に道場に到着しました。館長の奥様を含めてお三方の出迎えを得ました。

昨年10月の岡山大会以来の再開でありました。奥様のおもてなしの抹茶を頂き、近況を語り合い、先に予約して頂いていた昼食を墨俣城の傍の料亭で頂き、稽古に入りました。

 

三階建ての立派な道場の平生は合気道で遣っている場を使用しました。副館長には電話にて宿題を出しておりましたので、先ずは一人遣いをして貰いました。無論真剣を遣って正面の一刀両断、袈裟斬り(順逆)をして貰いました。

問題点を指摘し、手本を示しました。抜刀(試し斬り)の際だけでなく、居合の場合においても明らかに日本伝刀法の欠如に陥っている事を明らかにしました。基本刀法の理解、修行をせずに形(手順)を覚えているだけの現状を認識して貰いました。ご両名に取りましては、耐え難い苦しい事でありましようが、道の為には避けて通れません。

ご両名共に真摯に取り組んでおりました。時間は懸りますが、薄紙を一枚一枚重ねるが如く基本稽古を積んで行くしか方法は有りません。行あるのみであります。近道など有る筈もありません。副館長の目を輝かせて必死に刀を振る様子には感心しました。

剣は斬れれば良い、勝てばよい・・・ではありません。正しく斬り、正しくより立派に勝つ・・・先人が求めて後世に伝えてくれているその神髄を求めてやまぬ気迫が必要です。

ここ岐阜でも教習を行い、共に真の上達を目指して、これからも共に励んで参ります。

日記