広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

3月最後の日曜日稽古会・・・剣道特別稽古再開

令和五年3月26日、三月最後の日曜日稽古会を行いました。この日は、業務の為に一か月余り稽古を休んでおりました剣道七段挑戦者の稽古再開の日でありました。

この一か月余り職務に忙殺され、稽古を離れていた事で湧き出た剣道についての色々な思い、疑問を堰を切ったようにぶつけて来る七段挑戦者でありました。話し終えた時のさっぱりとしたその表情が印象的でありました。

先ずは、気一杯の剣道形を遣い合いました。中段の構えに入った様子にこの一か月余りの職務の激務の様子が観て取れました。根を詰めて職務に没頭した事による心身の歪みが、構えに現れておりました。その点は打ち終えた後に指摘し、正しました。構えが歪では、良い形、良い打ちは出来ようがありません。構えたようにしか打ちは出来ません。それが剣です。

中段の構えに歪みがでれば、振り被った上段にも歪みが出る・・・見過ごしに出来ぬ処です。

打太刀に連れ従う・・・一見簡単そうに観える事が、そうは問屋が卸しません・・・どうしても先に動いて仕舞いがちな七段挑戦者でありました。

それが地稽古では、致命傷と成る事を嫌と言う程味わった本日の七段挑戦者でありました。形稽古で実践出来ぬ事が、自由に打ち合う地稽古でどの様な結果を生むか・・・それを思い知った彼でありました。

自身で動いているつもりが、実は動かされている・・・悉く起こりを捉えられ、(いった~)と思って面に打込んだ瞬間に、自身の面に炸裂する一撃に、呆然とする七段挑戦者ありました。特に新陰流の合撃・・・一刀流では(打ち落とし)を喰らった際には・・・不思議な物に出会った感動と喜びを全身に醸し出す彼でありました。

打たれる度に(もう一本お願いします)と何度も繰り返しの言葉を発し、精魂尽きる迄懸ってきた本日の七段挑戦者の稽古再開でありました。

日記