広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

4月最後の土日稽古会・・・ゴールデンウィークに突入

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令和五年4月29,30日・・・ゴールデンウイーク突入の二日間でありますが、稽古会を行いました。これは、この時期としては久々の事であります。当初参加予定の永原君は、急遽家庭の事情で参加を見合わせさせました。休暇中の齋藤君が残り少ない休暇を稽古にあてて、出向いて参りました。後一週間もすると又二か月余りの県外勤務が始まります。時を惜しむ様に先ずは、一人遣いで木刀を振り込んでおりました。前回の厳しい叱責を噛みしめる様に。

 

基本打込みでは、まだまだ彼自身の体格・・・180センチ、80数キロの恵まれた体格を活かし切れてない・・・自身の打間が、まだまだ認識できてない・・・そして、その恵まれた体躯を活かす足捌きの重要性を指摘し、求めました。剣の基幹は足捌き・・・足腰です。足腰が正しく、確りと遣えねばその恵まれた体躯は返って重荷となります。先ずは、スムーズな摺足の捌きを求めて打込みを繰り返しさせました。まだまだ時としてズリ足と成って仕舞います。氷を上を滑るような精密な足捌きを求めて行く事を命じました。

そこから連動する上体、特に腕全ての連動・・・特に肘の正しい遣い方を忘れぬ様に・・・無意識で出来る様に成る為には途方もない時間が必要です。三次元の腕操作は、二次元操作とは別物であります。又これが身に付かねば、人を相手には出来ません。

本伝の太刀では、今ひとつの精度を求めました。基本稽古で身に付けつつある打ち、斬りを勢法に活かす・・・打太刀相手に意識を明確に遣う・・・意識すればするほど難しさが増して来て、時に絶望さへ覚える・・・皆が一様に通る道であります・・・しかし、その先には得も言われぬ喜びが待っております。何時の日にか師弟共にその喜びを共有したいものであります。・・・必ずその日が来ます。

防具を着けての基本打込、地稽古では・・・基本の打ちは、確実に鋭く強く成っております。しかし、その強く成っている基本の打ちを繰り出す事が出来ぬ地稽古に四苦八苦する齋藤君でありました。・・・何故か・・・そこを求めて行くのが地稽古です。年齢的な体力、その恵まれた体躯を発揮できない現実に立ち向かって行くしかありません。

70歳(古希)の老人に圧倒され、打たれながら、小手を打たれた手の痛み、痺れに顔を歪めながら、面を打たれ、胴を打たれ・・・奮闘する若者でありました。面を取った彼の汗まみれの顔は、何故にか清々しい表情に溢れておりました。

良き二日間の稽古会でありました。

 

※ゴールデンウイークに入った広島市内は、至る所に警察車両、警察官がおり・・・検問に引っ掛かって真剣の存在に不信感を持たれるのも憚られますので、この両日は真剣での抜刀はやめとしました。・・・サミットの影響でありましょう。

日記