広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

西宮での剣道高段者稽古会の再開・・・一年振り

令和五年6月28日、西宮での剣道高段者三人稽古会の再開の為に西宮まで出稽古に出向きました。

コロナ禍で自粛しておりましたが、五年続いた稽古会の喜ばしい再開であります。

広島と兵庫でそれぞれに剣道の修行をしながら、現代剣道の稽古だけでは足りぬ処を古流に求め、古流と現代剣道の融合を目指し、演武会を通して交流が始まり、西宮の地で剣道形、地稽古を剣道高段者三名のみで行う稽古会であります。余人を交えずに三名のみで行う稽古会は、それぞれが刺激を与え、受け合い、得難い稽古会と成っております。剣道のキャリアの上で小生が、お二人の相手をする形態を取ってはおりますが、毎回刺激を受け合い、教習を楽しんでおります。

長き修行の為に膝、足の裏に支障を抱える者も有りますが、身体の支障を気の修行に求め、立合う者には気で応じ、技で来る者には技前で応じ、二時間の短い稽古時間の中に至福を感じる三人でありました。この三人でしか味わえぬ物が確かにあります・・・有り難い事であります。

先ずは、一年振りの剣道形でありましたが、相手をかえて打ち合っても、5年間の稽古が瞬時に蘇り、拍子、様子の違う使い手に瞬時に対応する事が出来ました。お二人の形は、何方共に少し早い展開であります。小生の形は、気の充実を呼吸法に求め、同調し、高め合う様に遣うために少しユッタリと遣います。その為に仕太刀を遣う際にややもすると物足りなさを感じる事もありました。しかしながらこの一年の休止の感にその思いが自身の中で昇華され、拍子の違い、展開の違いの中にも充実を得る工夫が自然となされておりました。道場の中だけが修行では無いとあらためて感じ入りました。

地稽古では、痛めている足の事もありますが、古流をいかした振り幅の大きい打ちに終始する使い手と二足の打ち・・・打ち気の無い打ち・・・全く違う雰囲気の使い手を相手に即座に応じて、相手をしました。これが出来るのも剣道形の修行の賜物かと・・・。

三人が夫々に刺激を受け合い、次の稽古までの課題を胸に良き稽古会の終了としました。

日記