広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

9月第二日曜日稽古会

令和五年9月10日、9月第二日曜日稽古会を行いました。この日は、大阪から野原君が、それに合わせて山口から永原君が出向いて参りました。仕事に子育てに奮闘する二人の宮島嚴島神社奉納古武道演武大会以来の顔合わせでありました。夫々に手土産を渡し合い、近況を語り合っておりました。

9月の第一週は土日共に廣川君との二人稽古でありましたが、この日の二人の訪れには、正面の廣川君の喜びが道場一杯に溢れておりました。

先ずは、何時もの様に黙々と一人遣いに励む二人でありました。それも基本刀法を黙々と・・・この行が楽しめない者は、所詮物に成りません。一振り、一振りに気を込め、魂を込めて自身との会話を楽しんでおりました。

正面への坐礼を行い、久々の訓示を行いました。平素の立居振舞、特に道場内外の其れに違いを付けない事・・・内外を遣い分ける事無き誠実さを求めました。この様な時代に剣の修行をする意味を意義をあらためて問い掛け、正道を歩む事を厳命しました。兵法(形稽古)、抜刀(居合)、地稽古(防具を着けての打合い)が、ひとつと成り、連動して修行と成る事を改めて申し伝えました。

之が別物では真の剣とは言えません。何処までも本物を求めての師弟同行であります。

 

先ずは、木刀による基本打込を行いました。大人であろうと学生であろうと振りの次は打込みが、稽古の基本であります。打込む所作事は無論、木刀を打合せる事での手の感触、手応え、手の内を確りと確認しながらの行を繰り返しました。そして間に入る足捌き、踏込み、抜けて行く小波・・・この基本稽古の中に遣り抜く事が多々あります。そして一つ一つが精妙に繋がって行かねば役にはたちません。一つ一つの部品を精巧に作り、精密に組み立てて行く・・・精密機械を作り上げて行く工程の如く!

兵法は、本伝の太刀 試合勢法(蟇肌竹刀)そして木刀による太刀を遣い合いました。今日只今の一本勝負の気迫を持って!良き処、反省点、検証をするべき処を確認し合いました。

真剣による抜刀を振り込み、防具を着けて打込みを行いました。

少しずつしかし、着実に上達をする弟子達を頼もしく感じた一日でありました。更なる昇段が近づいている気配を感じました。しかし技の上達は、日頃の立居振舞に昇華されねば意味がありません。その事を更に伝えて本日の稽古終了としました。

日記