広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

第5回抜刀道連合会全国大会への参加・・・模範演武及び審判員として

令和五年9月16日第5回日本抜刀道連合会全国大会の為に広島を車で出立しました。日付が変わると同時に15時間予定の車での移動を開始しました。しかしながら三連休の頭そして高速道の工事の多さ・・・予定を三時間オーバーの18時間の行程で栃木県鹿沼市に到着いたしました。

夕方6時に会場であります英信館(栃木県鹿沼市)へ到着致しました。明日の会場設営が全て調っておりました。桶田館長のお出迎えを受けて、6月の第28回宮島嚴島神社奉納古武道演武大会以来の近況を語り合いました。

 

17日の大会当日は前年とは違い、雨の心配の無い一日でありました。前回は台風に見舞われ大変な一日でありました。しかし・・・関東は暑い、残暑と言って良い天候でありました。大会参加者は、緊張感と暑さとの戦いでありました。模範演武及び審判の小生も汗を拭う手拭いは手放せませんでした。

今大会は、試斬の大会であります。当会は3回大会から依頼を受けて参加しておりますが、初めて審判を仰せつかって感じた事は、審判の判断基準が(斬れた)事だけに集中して、場に立った瞬間から立ち位置に帰るまでの立居振舞や礼法そして刀法、太刀筋への評価が全く為されていない事への疑問をかねてから桶田館長には伝えておりました。

今回は、其の点に大会会長であります桶田館長が大改革を施され、20項目の失格、減点項目を明確化され、ただ斬れれば良いと言うだけでは勝てない大会と成っておりました。良き試みであり、試斬(抜刀)が武道として市民権を得るやも知れぬ一歩を踏み出されたと感じ入りました。

まだまだ改革の手を弛める事は出来ませんが、確実な一歩であります。之を機に大会参加者が、平素の剣道、剣術、居合への真の修行に目覚める事が出来れば、桶田館長も本望とされると感じ入りました。

然程に試合に臨む参加者が平素巻藁(畳表)を斬るだけしか行っておらぬ事は明白であります。真に剣を振る術を知らずに、剣技の修行をせずに・・・本末転倒であります。剣道、居合の平素の修行無くして本来斬りを行う事は有り得ません。

減点法で行われた今大会では、昨年の優勝者が一回戦で敗退する事もおきました。斬れてはいても、使用する刀?とは思えぬ身幅の広い鎬のない平作りを使用した事に依る減点、太刀筋とは到底言えない包丁斬り・・・小生が持参した審判表への減点は・・・気が付けばマイナスとなっておりました。・・・斬れても得点は無しとなっておりました。

今後の課題は、出場者は無論ですが、審判員の観る目を更に養う事であります。まだまだ斬りだけに目が行く古参の審判員がありました。之では武道に至っておりません。抜刀(試斬)が武道として市民権を得るにはこの意識改革が急務であります。抜刀は剣技であらねば成りません。剣技で無い斬りは、単なる余興、大道芸であります。ましてや曲斬りなど論外・・・。

試合参加者53名が、段位戦、小太刀の部、自由斬り、団体戦(三人制)に臨んだ大会は、盛会裏の内に終了いたしました。

日記