広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

西宮、剣道高段者三人稽古会の為に遠征

令和五年10月25日、二か月振りに西宮剣道高段者三人稽古会に出向きました。ここ数カ月はメンバーのお一人の足の回復具合を観ながらの稽古会と成っており、二か月に一回のペースで行っております。無論、ご本人も無理をしてでも毎月の稽古をお望みですが、自重をお願いしております。年齢もあり、無理は禁物です。息の長い稽古会を皆が願っております。しかしながら、無理をしてでも稽古をお願いしたいと言うお気持ちだけは、有難く頂戴したいと思っております。

朝8時過ぎに自宅を出立する時には、車の暖房をつける程の気温に成っておりましたが、昼過ぎに兵庫県に入る頃には、冷房に切り替わっておりました。寒暖差の激しい一日でありました。

稽古の始まりは、剣道形からであります。お二人の相手をしながら先ずはお二人共通の課題であります、六本目の小手打ちに対する応じ技を摺り揚げで無く、返し技で対応しました。打太刀の時のお二人の小手打ちは地稽古時に使われるやや斜打ちの傾向があり、摺り揚げに成り得ません。その様な傾向の打ちに応じた返し小手での(カチーン)と言う甲高い音にお二人とも少しビックリし、自身の小手打ちの太刀筋が乱れている事に気がついた様でありました。はじめてその事を明かしました。お二人共に少し考え込まれておりました。ご自身が仕太刀をしている時には、気持ちよく摺り揚げが出来ている意味を理解した様であります。打太刀の大切さであり、師の位の意味であります。

その様な事もあり、少し形稽古後の検証の時間が押してしまい、地稽古の時間が平生よりは少なく成って仕舞いました。しかしながらそれも良しであります。

あとで検証してみれば、何時もより地稽古の時間が少ない・・・という思いは、やはり稽古心境に影響しない訳がない・・・思い返せば、無心に近い会心の面打ちは、お二人相手の稽古で前半に出て仕舞い、終盤以降の集中がすこし間持の悪い状態と成って仕舞いました。

もっと地稽古をしたい・・・しかし、残りの時間は迫っている・・・これでは真の集中は、出来かねます。何時もは彼我共に会心の一本で終わる地稽古も今回は時間切れで終わって仕舞い、少し物足りなさが残りました。これは、今後の課題であります。

会心の一本が最後に決まらなくとも、心おきない攻め合いは遣りきった・・・これを目指します。

日記