広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月第三日曜日稽古会

令和五年12月17日、12月第三日曜日稽古会を行いました。それに先立ち、15日から予ての予定通り延岡迄出向き、旧征武館道場の一切の引継ぎを行って参りました。10年振りにお会いする今は無き甲斐館長の相続人であります息子さんと道場の今後の行く末を託す佐藤君(志誠館館長)と三人で司法書士事務所で落ち合い、取引契約を行い不動産移転手続きの全てを執り行いました。前回の延岡遠征の日に急逝した甲斐館長の残された道場に付いてご遺族の方々との折衝を重ねて参り、この日を迎える事が出来ました。相続人であります息子さんのご厚意には感謝しかありません。これで甲斐館長も後顧の憂いなく旅立つ事が出来たと思います。後は託された者達で真の武道場としての場を活かすだけであります。

この日は二日前と一転して一面の雪の中での稽古会と成りました。道場内の冷え込みを今年一番でありました。そんな中前回に引続き出向いて来た小林君がその寒さを吹き飛ばす様に先ずは、一人遣いに精を出しておりました。それで体を温め、次の基本打込を終える頃には顔から汗が噴き出ておりました。この寒さも彼の中では何処にか吹き飛んでおりました。疲れて来ると左肩の上がる今年の課題も顔を覗かせておりましたが、かなり改善されてきております。木刀を取る手の気配が今少し柔らかくなる事を求めました。所詮ゴツゴツした手では、真の剣遣いには成り得ません。

兵法では大拍子、大調子で遣う事を厳命しました。ユッタリと遣って間に合うように・・・小拍子で間に合わせても何にも成りません。意味を持った遣い方を求めました。

剣道形で体の運び、間積もりに今少しの精度を求めました。此の間合の精密さが地稽古に活かされてきます。決して曖昧に成っては成らぬ処であります。

真剣での抜刀では抜附けの際の剣先の納まり・・・これまた決して疎かに出来ぬ処であります。剣遣いの根幹に関わる処の精度を求めました。決して単なる手順、曖昧な恰好だけで終わらぬ修行の姿勢を求めました。

防具を着けての地稽古では、ここでも先ずは基本打込を何度も行わせました。面打ち、小手打ち・・・少しづつ鋭く強く成って来ております。180センチの長身を活かせつつあります。そして地稽古・・・ジリジリと位攻めで道場の隅まで追い詰められ・・・打ち取られ・・・打って行けば待ってましたと、応じ技が飛び出して来て・・・一見成す術無い状況に感じる小林君ですが、実は地力が着実に蓄積されています。打たれて打たれて何時の間にか強く成っているのが、真の稽古であります。気が付けば五時間余りの稽古時間が過ぎ去っており

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