広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

師へのお別れ

イメージ 1 昨年来より闘病入院を続けられている延春先生にやっとお会いしに名古屋まで行って参りました。日々の稽古は勿論ですが年度末の仕事に忙殺されこの日となってしまいました。色々な方からの情報で殆ど小生の認識はしていただけない事を覚悟しての訪問でした。ベットに横たわる師の荒い苦しげな息遣いに胸を締め付けられる思いでしたが、小生の呼びかけに声にならない声で応えられている様でした。小一時間身体の動かなくなった師の全身にマッサージをしながら初めて師のお体に触らせて頂きましたが、80年以上に及ぶその剣の修行により鍛え上げられたそのお体は四ヶ月以上に渡る闘病にも関わらず驚くほど逞しく、あらためてその修行の日々に思いを馳せずにはいられませんでした。マッサージをさせて頂きながら得がたいご縁とご指導に感謝の気持ちを捧げていますと一言(心配するな)とのお言葉がはっきりと聞き取れました。その後のお言葉はまったく聞き取れませんでしたがそのごに続けられたお言葉は(私の心配は無用、しっかり広島での稽古をしなさい)と理解しました。僅かな時間でしたが先生への感謝と今生のお別れを済ませ病院を後にしました。小生に出来る御恩に報いる事はただ広島での稽古会を弛まず充実させる事のみであります。合掌。