広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

五月広島での第四土曜日稽古会

久々の雨の中での稽古会と成りました。こう言う湿った床での稽古は特に足法、足捌きの修行になります。稽古前に其の点に各人気を配り工夫を則しました。

各人稽古前の鏡及び打込台を相手の素振り、打込みの様子を見ていると日々の一人稽古に取組んでいる様子が良く伺われ頼もしい限りです。

基本の打込み稽古に措きましては三崎夫婦夫々の良き処を足らない処の糧として日々上達してきています。宮本氏は珍しく左太刀の時点から少々バランスを崩し気味でした。手元に力みが感じられました。何やら迷いがあるのでしょう。しかしなが自身で程無く解決するであろう事を待ちましょう。あえて今の時点でのアドバイスはしません。あくまで剣は自得が大原則です。下手に教え過ぎる事はしません。

島田氏はいまだ自身の心と身体のアンバランスに遺憾ともしがたい物を抱えていますが自身も良く判っている様ですので、辛抱強くよく取組んで参りましょう。今は総ての欲を捨て去りただ身体全体をユッタリと呼吸に合わせ遣い続けるのみです。

兵法は先ずは三学(とりあげ)を全員で遣い合いました。代授のすんでいなかった島田氏にも五本の手順を伝え繰返し取組んで貰いました。三崎夫婦は二の切りに可也の手応えを感じてきた様です。

その後、三崎夫婦には八勢の三本目までの代授を行い、宮本氏は九箇の下からに入って貰いました。それぞれ初めての太刀筋に四苦八苦しておりましたが、又一人稽古の課題ができ益々やる気が高まってきた様で何よりです。

宮本氏も稽古後に感想を漏らしていましたが小生が一人一人と稽古をしている間、空いている各人が夫々に見取り稽古をしたり、ある者は鏡を相手に素振りをし、また打込み台相手に打込みをし、各人の工夫で時間を無駄に使う事なく取組んでいる様子は本当に良き稽古風景に成ってきたと強く感じます。

唯一苦言を呈すれば神聖なる稽古及び道場に新陰流とは名ばかりの何処の誰とも知らない者の書いた本を紹介しようとしたり持ち込もうとしたり、或いは分けの判らない道具をかってに持ってきたりする事は断じて許しません。二度とこの様な無礼な言動は許しません。