広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

三月博多での定例稽古会

三月博多での定例稽古会を行いました。流石に年度末になりますと新幹線もかなり込み合って参りました。サラリーマン風の乗客が目立ち、転勤の時期であることを感じました。今回の博多は桜の開花を向かえ、将に春そのもので有りました。


稽古の始めは前回少し足りなかった剣道形から始めました。今回は小太刀もしっかり用意されており表裏20本を気を燃やし確りと遣いきりました。良き気の練りが出来、打った後の丹田の充実感は今までで一番と感じました。腹が心地良い温かみを湛えておりました。土居君も良き呼応をしてくる様になったものだと感心もし、嬉しくもなりました。術技につきましては本来一つ二つの指摘にするべきでは有りますが、此処数か月彼とは月壱の稽古に終始しておりますので、致し方なく指摘が少々多くなってしまいました。彼の事ですからしっかり日記に書きとめ良く昇華してくれるものと信じております。


勢法は今回は本伝の太刀を重点的に行いました。三学九箇の(とりあげ)(下から)は特に念入りに精密に遣い合いました。小転におきましては剣道形の小太刀におきまして少々問題点が垣間見られましたので、ここにて小太刀の理を今一度確認して貰いました。小太刀は体術が入ってきますので、杖の小手縛り(柔手)も用い確認の意味も含め共に遣い合いました。


今回は稽古の最後に土居君が一年以上の歳月を懸け作り上げて貰った高根氏渾身の籠手(名品旦勝)に魂を入れる儀式を行わせて貰いました。小生も同じ品を10数年前に作って貰い、師に魂を入れて頂いた事を思い出し、大変嬉しくも厳かな気持ちになりました。この籠手を修行の友としますます良き稽古に精進される事を節に願っております。


稽古後、手術を控えた大坪氏も合流し食事をしながらの楽しい歓談をし博多を後にしました。来週は新潟から野原君が広島まで出稽古に参加予定です。