広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月末土日稽古会

11月もこの土日稽古会で最終日となります。来週には師走となります。月日のたつのが何と早い事か!一日一時の時を大切に過ごさねばと思う昨今です。本日の土曜稽古会は先週の博多の会員の出稽古での熱気余韻が残る中での稽古会と成りました。福永さんのご好意により島田家に入った備前長船俊光の名刀の披露が行われ、当道場にて小生が振り初めを行いました。二尺五寸四分の長刀は新しき拵えにその身を包み、ますますその存在に光彩を放っておりました。バランスの良い抜き易いその業物を暫し堪能させて貰いました。修行に常時遣って良い刀では勿論有りませんが一年の締め括りや祈念の時などに抜き放ち、心地良い刃風を楽しんで頂きましょう。


出稽古の二人が居た時には何故かばて易い二人でありましたが本日は平素の状態に戻っていると思いきや・・・早くばてても良いとでも摺込まれたのか如何も頑張りが足りないように感ずる二人の基本稽古でありました。仕方無いので少し気を入れて貰うために愛情を込めた一撃と口撃を加えました。色の変わったり少し血の滲んだ小手拳にやや気合が入った様で各人の課題にしっかり取り組んでおりました。まだまだその自覚が身に付き無心な内に整ってくるには時間はかかりますが必ず自得できる日がきます。弛まず精進あるのみです。


兵法は本伝の太刀を中心に遣い合いました。各人三学(とりあげ)はその面白さを良く感じている様で確かに良い手応えが出て来ました。特に好美君は合撃の出来が素晴らしく、本人も大満足の様で有りました。数ヶ月悩みぬいておりましたので、今は晴れ渡った秋空の様な心境では無いでしょうか。三学を遣い終えた途端に嬉しさの余り(良し)のサインを送ってきた7月12日の再現かと思いましたが、あにはからんや二の斬りに少々不満があったとの事、何とも小生意気に成って来た事であります。少々頼もしくも有りますが。島田さんは軸の構築にまだまだ時間は懸かりるでしょうが全体の流れは良くなってきております。愚を知り本物を求めて行くのみです。暫し刀を振り合い本日の稽古を終了しました。二人とも少しずつ振れる様になってきております。特に非力な好美君が愛刀兼次に刃風を立てる様は感動もので有りました。