広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月広島定例稽古会

11月広島での定例稽古を行いました。今回はこの土曜日からの三連休を利用しての合宿稽古としました。本日は大阪の実家から野原君が泊まりがけで出向いて参りました。新潟に出張して以来七ヶ月振りの出稽古であります。本人も他の会員も張り切っての稽古会と成りました。一番張りきっていたのは小生であったかもしれません。基本稽古から振りが付いてしまい、彼だけで二時間近くも基本稽古を行う事となってしまいました。気が付いた時には後の祭りであります。一時間で終わる積もりの基本稽古に三時間遣ってしまいました。他の会員はホット胸を撫で下ろしていたのでは無いでしょうか。心なしか各人へたばるのが早かった様な気がします。矛先が野原君に向いているのを敏感に感じ取っていた様で有ります。まあたまには良いでしょう。平生はしっかり遣って貰っておりますので。


相変わらず腕の縮むところ、もたれ掛かる所、肩に力みが入るところが見受けられましたが二時間の間に随分と感を掴んで行った様であります。まずは意識しながら出来つつある手応えが有りました。今後は勿論無意識に行えねば役にはたちませんのでその修行あるのみです。好美君は風邪のぶり返しでマスクをしての心肺機能強化を兼ねての稽古でありました。早くばてるのはマスクのせいであるとのアピールをしつつの稽古でありました。島田さんも呼吸の乱れるのが何と早い事か。これも小生の気が野原君に多少行っている事を感じての事でありましょうからある種の修行の成果とも言えます。見事に兆しを見てとられました。二人とも自身の課題である引きの返しと打ちのズレはしっかり認識している様でありますので良しとしました。


兵法に入りましたが残り時間が二時間しか有りませんでしたので三学、八勢に集中して行いました。最も大切であり基本の中の第一でありますので打太刀使太刀ともに心行くまで遣い合いました。野原君には打太刀を二人を相手にしっかり遣ってもらいました。何度か今までに注意してある歩み方、二の斬りが芝居になってしまっておりましたので其の都度強く叱責し性根に叩き込んで貰いました。どうも彼も見て取るのが苦手なようで我流の醜い遣い方をしてしまいます。もう少し精神を研ぎ澄まし本当のところを写し取る様に成って欲しいものです。彼のみならず広島にも我流の醜い遣い方を平気でしたり考えたりする者がおりはしますが。合撃の打太刀で拳が下がっては使太刀はたまったものでは有りません。出来ないまでも拳を下げぬ気迫を保って貰いたいものです。これでは双方の稽古になりません。しかし稽古とは面白い物で最後頃には双方の気が合いそれなりの様子を見せて参りました。無論合撃には成らずとも好美君も島田さんも良き流れで三学を彼相手に遣っておりました。やはり稽古は正しく重ねて行くしか有りません。その為にも数が大切です。それで無くとも才能が無いのですから無論の事です。しかし才能無き者が重ねた修行の成果が才多き者を凌駕する事が有るのも事実です。稽古出来ぬ理由を探す暇が有れば稽古する時間を如何に捻出出来るかに知恵を絞り工夫をするべきです。


稽古後は皆で食事をしながら近況報告と剣談を楽しみ第一日を散会しました。野原君は拙宅に泊まって貰い久々に収めたビデオを鑑賞しながらの座学を深夜まで行いました。途中土居君との過去の地稽古の様子も見てもらいましたが、彼なりに何やら感ずるところが有った様であります。明日は博多から土居君が防具を持参しての参加です。