広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月博多稽古納め

今年の博多での稽古納めを行いました。道中は今年最大の寒波が押し寄せた中での移動となりました。最高速の制限、ある区間の通行止めと多少の支障は有りはしましたが無事に全行程を終了致しました。延春先生のお導きで始まりました博多の稽古会も、もう直ぐ丸6年となります。自身の意図としない師の導きで始まりました稽古会では有りますが始まった以上生涯を懸けて続けて行きたいと考えております。日程や移動の苦労も有りはしますが自身が出かけて行き行う事の意義は勿論、他の会員に対する有意義さを鑑みれば万難を排して稽古を行う事は当然の事と捉えております。


早良区の道場の平素少々煩わしく感じる弱暖房も本日の天候の中では有り難く感じた会員もいたのではないでしょうか。然程に今年最大の寒波の中での稽古会でありました。稽古内容は肩の手術を終え今だリハビリ中の大坪さんの調子に合わせ、抜刀中心の稽古を初めて行いました。それも今だ力みの抜け切らない彼の力みを取り去る為ユッタリとした基本刀法を抜きから備え、納めをまずは納得行くまで行いました。久々に細かく集中して行う事に各人夢中に成って取り組んでおりました。その後正面、順逆の斬りを切っ先から爪先までの細部にわたりその遣い方の理解確認を充分に行い納得出来るまで道場を一杯に遣い繰り返し行って貰いました。いつの間にか切れていた弱暖房を物ともせずびっしょりと道着から汗を噴出させていた大坪さんの様子が印象的で有りました。その後立合の数本を折角ですから細部に渡り再確認してもらい、抜き合いました。


博多の稽古納めの締めとしまして三学九箇(とりあげ)三学(したから)の19本を大坪氏に披露しました。来年は二度の演武を計画しておりますので良き気を張り心地良げに遣っておりました。本番までに何度か人様の前で遣う機会を持ちたいと考えております。何はともあれ本年の博多の稽古会を無事充実した気持ちで終了する事が出来ました。それにしても最後まで責任感の感じられない礼を失した者の存在は残念でなりません。何の為の剣の修行であったのでありましょうか。