広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

二月第三週土日稽古会

二月の第三週土曜日稽古会を行いました。二週目が都合により稽古休みとなりましたので皆うずうずとしていた様で張り切って出向いて参りました。体験稽古の永原君も前回より30分も早く到着しました。早速用意しておりました木刀を手渡し、その感触を楽しんで貰いました。皆が揃う前に前回の正面打ちに続き初めて手にした自身の新陰流木刀にて順逆に挑戦して貰いました。勿論広島柳生会の指導手順に従い最初はあくまでユッタリと粘りつくように正しい身体の遣い方を繰り返し繰り返し黙々と行って貰いました。冷蔵庫の様な道場で激しく身体を動かす事なくユッタリと遣いながらも彼の体から汗が噴出してくる様子を微笑ましくも頼もしく感じました。之ならば正しい遣い方を身に付けるのもそう遠くない事で有りましょう。しかし果て無き第一歩を踏み出したばかりです。弛まぬ修行を願うばかりです。


基本稽古は先ずは入りの状態で正しく立つ事を確認せずに打つばかりの状態で有りましたので、初っ端から叱責で始まりました。如何も彼は自身の遣るべき事を指摘されねば忘れていると言う事が多すぎます。出来ないながらも先ずは気に懸けると言う事を習慣付けねば成るものも成りません。手順を追い2~3のポイントをしっかり追ってゆく事を習慣付けねば成りません。そして遣るべき一人稽古を行って道場に出向いて来ねば何時まで経っても真の上達には繋がりません。一人稽古が如何も独り我って稽古になっている帰来が有ります。生来の独り善がり、正しい物を見過ごして独り合点するその性癖を正して行かねば成らないで有りましょう。諦めなければ何れ良き方向が見えて来る筈です。駄目な物は駄目と言う姿勢を緩める事は絶対に有りませんのでめげずに付いてきて欲しいと願っております。そうこうしている内に今一人が予定よりも一時間も遅く出向いて参りました。そしてその手には何とか皆の気を逸らす如くおやつを携えておりました。しっかりその意を汲み取るが如く温かいお茶で一服する事に相成りました。之もまた新陰流の修行の成果で有りましょうか!見事な場の誘導で有りました。


兵法は演武に向けての本伝の太刀、試合勢法とその領分に集中した稽古としました。合撃に悩み苦しんだ時を過ごし、その果てに明けの明星を垣間見たと感じた瞬間が有りましたのに、又しても暗黒の暗闇に投げ出されたと感じてしまう様な感覚に涙した事が本日見事に成果として下からの長短一味のそれに現れました。将に小生が最高を感じる手応えでありました。切り結ぶ位置拍子、斬り下ろす太刀筋の素直さは今までにない物でありました。今までは如何しても当たった処で僅かに力みが残っておりました。今回初めて出ました太刀筋の感覚を何処までも求めて行って欲しいと思います。味わえない者には一生味わう事の出来ない手応えで有りますから。今後は取り揚げにても少しずつ出てくる物と信じております。


その後抜刀を短い時間で有りましたが抜き合いました。永原君にも勿論模擬刀にて抜き付け、納刀を体験して貰いました。彼には初めての事ばかりで少々混乱しているかもしれませんが、皆が通ってきた道です。しっかり着いて来て貰いたいものです。明日も同様に稽古を行います。