基本稽古では正面の打込みに今までに無い、体の出がでて来ておりました。眠い目を擦りながらの打込みに、怪我の功名の如き成果が出ておりました。正しく一足、体が運べておりました。之も又今までの一人遣い、基本打込みの成果であります。その調子で順逆もと思っておりましたが、そこは剣の難しであります。途端に太刀筋が暴れておりました。スナップを使うような妙なラケット打に堕しておりました。無論、ほおって置くわけにも行かず、正す事としました。確りと眠気を払拭する様に、汗を流して貰いました。
兵法に入り、三学、九箇、小転、試合勢法と遣い合いました。やはり体調不良である事は隠し様が有りません。気が何時もの様には燃えて来ませんでした。打込み稽古で燃やし尽くした様でありました。そんな中ででも、これは不味いと感じたのか、二の斬りに久しぶりに良き一本が飛び出しました。之も又怪我の功名で有りましょうか。何はともあれ良き感覚は忘れない様にして貰いたい物であります。
少し早めに永原君の稽古を上がらせて、待っておりましたら廣川君がチョコレートを携えて出向いて参りました。彼の事情を話しますと、この日にチョコレートを渡せなかった事を残念がっておりました。それはさて置き、駆けつけ三杯ならず、先ずは三学を確りとユガケを着けて、遣い合いました。宮島に向けての小転同様に徐々に気が上向いて来ておりました。明日は柳井から関戸君が、そして傷心状態の若きレーサーが出向いて参ります。その一日の長を皆に魅せつける事でありましょう。